スマホ保険ラボの編集長D部長です。
ある日、ふとiPhoneを手に取ったとき、カメラレンズに「ピシッ」と一本の線が…。
考えたくもない状況ですが、これは誰にでも起こりうる現実です。特に最近のiPhoneはカメラ性能の向上に伴い、レンズ部分が大きくなり、本体から突出しているデザインが主流です。
この「出っ張り」が、ふとした瞬間に机の角に当たったり、ポケットの中で鍵と擦れたりして、割れや傷の原因になるのではないかと不安に感じている方も多いはずです。
「iPhoneのカメラレンズって、そんなに簡単に割れちゃうものなの?」
「保護フィルムは貼った方がいい?ケースだけで十分?」
「もし割れてしまったら、修理に一体いくらかかるんだろう…」
この記事では、iPhoneのカメラレンズが「本当に割れやすいのかという構造的な理由」から、「今日からすぐに実践できる具体的な予防策、そして万が一割れてしまった場合の最適な対処法」まで、徹底解説していきます。
iPhoneのカメラレンズは本当に割れやすいのか?

結論から言うと、iPhoneのカメラレンズは「特定の状況下で割れやすい」というのが事実です。多くのユーザーが不安に感じるのには、明確な理由が存在します。
理由1:本体から突出したデザイン
近年のiPhoneは、カメラ性能の進化が著しく、それに伴いレンズユニットが大型化しています。複数のレンズやセンサーを搭載するため、カメラユニット全体が本体背面から突出するデザインが採用されています。
この「出っ張り」が、iPhoneを平らな面に置いた際に最初に接地する部分となります。つまり、落下時だけでなく、日常的にデスクに置く、ポケットに入れるといった何気ない動作でも、レンズ周辺に衝撃や圧力が集中しやすい構造になっているのです。
コンクリートのような硬い地面に背面から落としてしまった場合、この突出した部分が最初に衝撃を受け、レンズに直接ダメージが及ぶリスクは非常に高くなります。
理由2:素材「サファイアクリスタル」の特性
iPhoneのカメラレンズカバーには、「サファイアクリスタル」という非常に硬い素材が使われています。サファイアクリスタルは、モース硬度で「9」を誇り、これはダイヤモンドの「10」に次ぐ硬さです。カッターナイフや鍵など、日常生活におけるほとんどの物質では傷がつきにくいという大きなメリットがあります。
しかし、この「硬さ」は諸刃の剣でもあります。硬い物質は、一般的に「靭性(じんせい)」、つまり粘り強さが低い傾向にあります。衝撃を吸収して変形する能力が低いため、一定以上の衝撃が一点に集中すると、しなることなく「パリン」と割れてしまうことがあるのです。
「傷には強いが、衝撃には必ずしも強いわけではない」という点が、サファイアクリスタルの特性であり、割れやすさの一因となっています。
理由3:ピンポイントの衝撃への弱さ
レンズの面積は小さいですが、その小さな一点に強い力が加わると、エネルギーが分散されずにレンズカバーに集中します。例えば、iPhoneを落とした際に、偶然にも砂利のような小さな突起物がレンズに直撃したケースを考えてみてください。衝撃がその一点に集中し、硬いサファイアクリスタルであっても耐えきれずに割れてしまうのです。
このように、iPhoneのカメラレンズは「デザイン構造」「素材の特性」「衝撃の加わり方」という3つの要因が重なることで、決して割れにくいとは言えない状況にあります。
iPhoneのカメラレンズを割らないための対策

カメラレンズが割れるリスクは理解できたものの、ではどうすればそのリスクを最小限に抑えられるのでしょうか。ここでは、今日から実践できる具体的な対策を3つ紹介します。
対策1:カメラレンズ保護フィルム・ガラスカバーの活用
最も手軽で効果的な対策が、カメラレンズ専用の保護フィルムやガラスカバーを装着することです。
- ガラスカバータイプ: レンズユニット全体を覆うガラス製のカバーです。サファイアクリスタルと同様に高い硬度を持つ強化ガラスが使われていることが多く、身代わりとなって衝撃や傷からレンズを守ってくれます。万が一カバーが割れても、レンズ本体は無傷で済む可能性が高まります。最近では、画質への影響を最小限に抑えた高品質な製品も多く販売されています。
- フィルムタイプ: 薄いフィルム状の保護シートです。ガラスタイプほどの耐衝撃性はありませんが、鍵などとの擦れによる細かい傷を防ぐのに有効です。また、非常に薄いため、装着していることがほとんど分からず、ケースとの干渉も起こりにくいのがメリットです。
僕もしっかりつけていますが、基本的にはカバーが割れて内部のレンズまでの衝撃を和らげてくれる特性があります。
特にiPhoneのProシリーズを持っている場合は、ガラスカバータイプをつけることをオススメします。

対策2:ケースの選び方が重要
iPhoneケースの選び方も、カメラレンズ保護において非常に重要です。以下のポイントをチェックしてケースを選びましょう。
- カメラ周りのフチが高い設計: ケースのカメラホールの縁が、レンズの高さよりも高く設計されているものを選びましょう。これにより、iPhoneを平らな面に置いた際にレンズが直接接地するのを防げます。
- 耐衝撃性の高い素材: TPU(熱可塑性ポリウレタン)やポリカーボネートといった耐衝撃性に優れた素材で作られたケースは、落下時の衝撃を吸収・分散させ、カメラユニットへのダメージを軽減します。
- スライド式カバー付きケース: 最近では、カメラ部分を物理的に覆うスライド式のカバーが付いたケースも登場しています。使用しないときはカバーを閉じておくことで、傷や汚れ、衝撃から完全にレンズを保護できます。プライバシー保護の観点からも有効です。
対策3:日常での取り扱いに注意を払う
保護フィルムやケースを装着していても、100%安全というわけではありません。日々の使い方で少し意識するだけでも、リスクは大きく減少します。
- 硬いものと一緒にしない: ポケットやバッグの中に、鍵やコイン、その他の硬いものと一緒に入れるのは避けましょう。擦れ合って傷がつく原因になります。
- 置き場所に注意する: 机の端や不安定な場所には置かないようにしましょう。特に、凹凸のあるザラザラした表面に背面を下にして置くのは避けるべきです。
- スマホリングやストラップの活用: スマホリングやショルダーストラップを活用し、手からの滑り落ちを防ぐのも有効な手段です。
これらの対策を組み合わせることで、カメラレンズが割れるリスクを大幅に下げることができます。
カメラレンズが割れてしまった時の正しい対処法

万全の対策をしていても、不運にもレンズが割れてしまうことはあります。その際に慌てないためにも、正しい対処法を知っておきましょう。
放置は絶対にNG!割れたまま使うリスク
「少しヒビが入っただけだし、写真は撮れるから大丈夫」と放置するのは非常に危険です。以下のような深刻な問題に発展する可能性があります。
- カメラ本体の故障: 割れた隙間から湿気やホコリ、細かなゴミが侵入し、内部のカメラユニット自体が故障してしまう恐れがあります。最初はレンズカバーのひび割れだけだったはずが、最終的にカメラが起動しない、ピントが合わないといった致命的な不具合につながります。
- 写真・動画の品質低下: レンズのひび割れが光を乱反射させ、写真に白いモヤや線が入ったり、フレアやゴーストが異常に発生したりします。せっかくの思い出が台無しになってしまいます。
- 本体内部へのダメージ: 割れた部分から水分が侵入すると、基板がショートしてiPhone本体が起動しなくなるなど、より広範囲な故障を引き起こす可能性があります。耐水性能も著しく低下します。
- 怪我のリスク: 割れたガラス片で指を怪我する恐れもあります。
レンズが割れたら、可能な限り早急に修理することが重要です。
修理の依頼先は3択
iPhoneのカメラレンズ修理を行う場合、依頼先は大きく分けて3つあります。
- Apple Store / Apple正規サービスプロバイダ: Appleの公式修理サービスです。純正部品を使用し、修理後も製品保証が継続されるため、最も信頼性が高い選択肢です。修理品質を最優先するならこちら一択です。しかし、基本的にはカメラユニットごとの交換になるため、高額にはなります。
- 非正規のスマホ修理店: 街中にある独立系の修理店です。正規店に比べて修理料金が安く、即日対応してくれる店舗が多いのがメリットです。ただし、使用される部品は純正品ではなく、修理後にAppleの保証が受けられなくなる可能性がある、修理店の技術力にばらつきがあるといったデメリットも存在しますが、カメラレンズだけ交換してくれる場合が多いです。
- 自分で修理(非推奨): 修理キットなどを購入して自分で行う方法もありますが、専門的な知識と技術が必要です。iPhoneは非常に精密な機器であり、修理の過程で他のパーツを傷つけ、取り返しのつかない故障につながるリスクが非常に高いため、全くおすすめできません。
基本的には、Apple正規サービスか、信頼できる非正規修理店のどちらかを選ぶことになります。
カメラレンズの修理費用はいくら?

修理で最も気になるのが費用です。iPhoneのカメラ修理は、損傷の範囲によって金額が大きく変わるため注意が必要です。
ケース1:カメラレンズのみの修理費用
表面のレンズカバーのみが割れ、内部のカメラユニットに損傷がない場合の費用です。
- Apple正規サービス: Appleでは基本的に「カメラユニットごと」の修理メニューは提供していません。多くの場合、次に説明する「本体(背面ガラス)の修理」扱いとなります。
- 非正規修理店: 店舗によりますが、レンズカバーのみの交換に対応している場合があります。その場合の費用相場は、10,000円〜20,000円程度です。ただし、これはあくまで内部カメラに問題がない場合に限ります。
ケース2:カメラレンズの修理費用
Apple正規サービスでは、カメラレンズがひび割れるとカメラユニット丸々交換となるので、修理費用は高額になりがちです。AppleCare+に未加入の場合、機種によりますが数万円からの修理費用となります。
【参考】Apple公式サイトにおける保証対象外修理サービス料金(2025年8月時点の例)
モデル | カメラユニット交換 |
iPhone 16 Pro Max | ¥38,800〜 |
iPhone 15 Pro | ¥32,800〜 |
iPhone 14 | ¥23,800〜 |
iPhone 13 | ¥23,800〜 |
※上記はあくまで一例です。正確な料金はAppleの公式サイトで必ず確認してください。
このように、カメラレンズが割れただけと軽く考えていると、予想外の高額な修理費用に驚くことになります。

上記でも書いたように、非正規の修理店ではカメラレンズの交換のみを行ってくれる所もあります。
しかし、D部長もこれまで1万台以上のスマホの修理してきましたが、多くの場合、レンズが割れるとゴミがカメラユニットの内部に入り込み、黒い斑点や影ができることが多く、結局カメラ交換になることが多いです。
運良くレンズ交換だけ済んだとしても、1万円前後の修理費用が発生します。
高額な修理費に備える!「モバイル保険」 vs 「AppleCare+」徹底比較

万が一の事態に備え、高額な修理費用をカバーしてくれるのが保険サービスです。ここでは、代表的な2つのサービス「モバイル保険」と「AppleCare+ for iPhone」を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
AppleCare+ for iPhone の特徴
Appleが提供する公式の保証延長サービスです。製品購入時または購入後30日以内に加入できます。
- メリット:
- 正規の修理サービスを格安で受けられる。カメラユニット交換は基本的に12,900円で可能。
- Appleの専門家によるテクニカルサポートを優先的に受けられる。
- 盗難・紛失プランも選択可能。
- デメリット:
- 月額料金が比較的高め(機種により月額1,000円〜2,000円程度)。
- 保証対象はAppleCare+に登録したiPhone1台のみ。
- 保証期間は2年間または月払いでの継続(解約するまで)。
- 修理回数に年2回までの制限がある。
Apple製品を使いこなし、常に最高のサポートを受けたい、信頼性を最優先したいというユーザーに適しています。
モバイル保険の特徴
さくら少額短期保険株式会社が提供するスマホ向けの保険サービスです。
- メリット:
- 月額700円という手頃な料金。
- 1契約で最大3台のWi-Fi・Bluetooth対応機器を登録できる(主端末1台+副端末2台)。
- iPhoneだけでなく、Androidスマホ、タブレット、Apple Watch、ノートPC、ワイヤレスイヤホン、携帯ゲーム機なども対象。
- 年間最大10万円まで、何度でも補償を受けられる(修理回数に制限なし)。
- 購入から時間が経った端末でも加入できる場合がある(キャリアやメーカーの保証期間内など条件あり)。
- Apple正規部品を使用したiCrackedでキャッシュレス修理(修理費用を一旦建て替える必要なし)を受けることが可能です。
- デメリット:
- AppleCare+のようなテクニカルサポートはない。
- 紛失は補償対象外。(盗難は対象ですが、主端末は最大25,000円、副端末は最大7,500円となる。)
iPhone以外にも複数のデバイスを持っており、それらをまとめてリーズナブルに保護したいというユーザーに最適なサービスです。
Appleなどの正規修理での保険金も請求できますので、特に修理する箇所に指定はありません。
非正規店での修理の場合が以下の項目が必要です。
1,必要書類の提出
修理店が発行した「領収書」と「修理報告書」の両方が必要です。修理報告書には、以下の情報が記載されていることをご確認ください。
・端末情報
・修理内容
・修理後の端末の状態(全機能が正常に動作するかのチェック結果、他に不具合箇所がないかなど)
2,全ての修理を行う
ご申告いただいた不具合だけでなく、端末のすべての機能が正常に動作する状態に修理する必要があります。
修理されていない箇所が残っている場合、費用をご請求できません。
原則としてモバイル保険は正規修理店を推奨しております。もしくはキャッシュレスリペアに対応した「iCracked Store」での修理を行う方が無難でしょう。

D部長もかれこれ5年ほど加入しているのがモバイル保険になります。
現在、iPhone、MacBook、Apple Watchの3台を登録していますが、やはり複数台を高額なデバイスを1つの保険でカバーできるのは精神的な安心感が大きいです。
ゲーム機を持っている友人などは、Nintendo Switchを登録したりもできるので、ライフスタイルに合わせて幅広く保証してもらえる点に大きなメリットを感じています!
比較まとめ表
項目 | モバイル保険 | AppleCare+ for iPhone |
月額料金 | 700円(非課税) | 機種により異なる(例:iPhone 15 Proで1,550円) |
対象台数 | 最大3台(主端末1台、副端末2台) | 1台のみ |
対象機器 | Wi-Fi・Bluetooth搭載の多くの機器 | 登録したiPhoneのみ |
年間補償上限 | 合計10万円(主端末:10万円、副端末:合計3万円) | なし |
修理時の自己負担金 | 0円(上限額の範囲内) | アウトカメラ修理:12,900円 |
修理回数 | 制限なし(上限額の範囲内) | 年2回まで |
盗難・紛失補償 | なし | プランによる(追加料金あり) |
加入タイミング | 新品購入から1年未満など条件あり | 新品購入から30日以内 |
修理金の支払い | 立て替え後の請求またはキャッシュレスリペア | 店頭で自己負担金のみ支払い |
どちらを選ぶべきか?
- AppleCare+がおすすめな人:
- 最新のiPhone1台だけを徹底的に守りたい。
- 修理の際に立て替え払いをしたくない。
- Appleの公式サポートを重視する。
- 盗難や紛失のリスクにも備えたい。
- モバイル保険がおすすめな人:
- 月々のコストを抑えたい。
- iPhone以外にもタブレットやPCなど、複数のデバイスを守りたい。
- 修理回数を気にせず、安心して使いたい。
- 正規・非正規を問わず、好きな修理店を選びたい。
自分のライフスタイルや所有しているデバイスの数、そして何を重視するかによって、最適な選択は変わります。

よくある質問(FAQ)
- カメラレンズのひび割れだけで、写真には影響ないように見えます。修理は必要ですか?
-
はい、早急な修理をおすすめします。現在は影響がなくても、ひび割れから湿気やホコリが侵入し、後から内部のカメラユニットが故障する可能性があります。
また、ひび割れが光を乱反射させ、特定の状況下で画質が著しく低下することもあります。放置するリスクは非常に高いです。
- カメラレンズの修理は自分でできますか?
-
推奨しません。iPhoneの内部は非常に精密で複雑です。
専用の工具や専門知識なしに分解すると、カメラユニットだけでなく、他の重要なパーツを破損させてしまう危険性が極めて高いです。結果的に、修理業者に依頼するよりも高額な修理費用がかかる可能性があります。
- 修理にはどのくらいの時間がかかりますか?
-
修理先によって異なります。Apple Storeや正規サービスプロバイダでは、予約状況や部品の在庫によりますが、数時間から数日で完了することが多いです。場合によっては本体交換となり、その場合は比較的早く終わります。非正規修理店では、即日修理を謳っている店舗が多く、1時間程度で完了する場合もあります。
- 中古で購入した古いiPhoneでも保険に入れますか?
-
加入できる保険とできない保険があります。AppleCare+は新品購入後30日以内が原則のため、中古端末では加入できません。一方、モバイル保険は、販売店が提供する保証(3ヶ月以上)が残っているなど、特定の条件を満たせば中古端末でも加入できる場合があります。詳しくはモバイル保険の公式サイトで加入条件を確認してください。
まとめ
この記事では、iPhoneのカメラレンズが割れやすい理由から、具体的な予防策、そして万が一の際の修理方法と費用、さらには保険による備えまでを網羅的に解説しました。
重要なポイントを改めて整理します。
・iPhoneのカメラレンズは「突出したデザイン」と「素材の特性」から、決して割れにくいとは言えない。
・予防策としては「保護カバー」「ケース選び」「丁寧な扱い」の3つの組み合わせが極めて有効。
・万が一割れた場合、放置はせず、Apple正規サービスか信頼できる非正規店で速やかに修理する。
・修理費用は高額になる可能性が高く、「背面ガラス修理」扱いで数万円以上かかることも想定しておく必要がある。
・高額な修理費に備えるなら、「AppleCare+」か「モバイル保険」の加入を検討する。
最終的にどの対策や保険を選ぶかは、あなたのiPhoneの使い方、所有しているデバイスの数、そして予算によって決まります。
まずは、自分の使い方を見直し、今日からできる保護対策を実践してみてください!