スマホ保険ラボの編集長D部長です。
「あれ、iPhoneの充電ができない…」
「ケーブルを特定の角度にしないと反応しない…」
毎日使うiPhoneだからこそ、こんな症状が出ると焦りますよね。
わたしも元々修理屋で働いていた時はこのような相談がよく受けました。
しかし、ちょっと待ってください。その充電不良、実は故障ではなく、充電口(Lightningポート)に溜まったホコリやゴミが原因かもしれません。
特に、iPhoneをポケットやカバンにそのまま入れている方は、知らず知らずのうちに細かい糸くずやホコリが充電口の奥で圧縮され、充電の妨げになっているケースが非常に多いのです。
「じゃあ、自分で掃除すればいいんだ!」と、手近にあるもので掃除を試みる方もいますが、これもまた危険な行為。iPhoneは精密機器です。やり方を間違えれば、小さなホコリを取り除こうとした結果、数万円の修理費用がかかる深刻なダメージを与えてしまう可能性も…。
この記事では「絶対にやってはいけないNG行為」から、「掃除をしても改善しない場合の対処法」、「誰でも安全にできるiPhone充電口の正しい掃除方法」を解説します。
iPhoneの充電ができなくなる主な原因はホコリだけじゃない

充電ができないと、すぐに「故障だ!」と決めつけてしまいがちですが、原因は一つとは限りません。
まずは落ち着いて、何が原因なのかを切り分けていくことが大切です。
充電口(Lightningポート)の汚れや異物混入
最も多く、そして最初に疑うべき原因がこれです。
- ポケットやカバンの中のホコリ、糸くず: 日常的にiPhoneを持ち歩く中で、充電口は小さなゴミ収集ポケットのようになっています。充電ケーブルを差し込むたびに、奥へ奥へとゴミが押し固められ、接触不良を引き起こします。
- お菓子のクズや砂埃: 意外かもしれませんが、デスクでお菓子を食べながらiPhoneを触ったり、アウトドアで利用したりすることで、微細なクズや砂が入り込むこともあります。
ケーブルやアダプタの故障
iPhone本体ではなく、周辺アクセサリーが原因の場合も多々あります。
- 充電ケーブルの断線: 特にコネクタの根元部分は負荷がかかりやすく、内部で断線していることがあります。見た目にはわからなくても、充電できたりできなかったりする場合はケーブルを疑いましょう。
- 電源アダプタの不具合: 長年の使用でアダプタ内部が故障することもあります。別のACアダプタやPCのUSBポートに接続して試してみましょう。
ソフトウェアの一時的な不具合
iPhoneのiOSに一時的なバグが発生し、充電を正しく認識できなくなることがあります。
この場合は、iPhoneを再起動するだけであっさりと直ることも少なくありません。
バッテリーの劣化
iPhoneを2年以上使用している場合、内蔵されているリチウムイオンバッテリーが寿命を迎え、充電を保持できなくなっている可能性も考えられます。
「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」で、最大容量が80%を下回っている場合は、バッテリー交換を検討する時期かもしれません。


iPhone本体の故障(水没や落下など)
残念ながら、これが最も深刻なケースです。過去に水に濡らしたり、地面に落としたりした記憶がある場合、内部の基板や充電関連のパーツが物理的に破損している可能性があります。
この場合は、自力での解決は難しく、専門家による修理が必要となります。
【自分でできる】安全なiPhone充電口の掃除方法

原因の切り分けができたら、いよいよ充電口の掃除に挑戦してみましょう。ただし、作業を始める前に必ず守ってほしいことがあります。
【重要】掃除を始める前の注意点
- 必ずiPhoneの電源を切る: 通電したまま作業を行うと、万が一金属部分に触れた際にショートし、iPhoneに致命的なダメージを与える危険性があります。必ず電源をオフにしてください。
- 作業は自己責任で: これから紹介する方法は、安全に配慮したものですが、万が一の破損リスクがゼロではありません。不安な方や、作業に自信がない方は、無理せず専門の修理店に依頼しましょう。
用意するもの
家庭にあるもので簡単に揃えられます。
- つまようじ(木製または竹製): これがメインツールです。金属製は絶対にNG。先端が鋭すぎず、適度な硬さがある木製や竹製のものが最適です。
- エアダスター: PCのキーボード掃除などに使うスプレー缶です。息を吹きかける代わりに使用します。
- ライト: スマートフォンのライト機能や、小さなペンライトで充電口の内部を照らします。
掃除の手順
焦らず、一つ一つの工程を丁寧に行いましょう。
ステップ1:電源を必ずオフにする サイドボタンと音量ボタンの片方を長押し(古いiPhoneだと電源ボタンのみで電源OFFができます)し、「スライドで電源オフ」で完全に電源を切ります。
ステップ2:ライトで中を照らして確認 まず、現状把握が肝心です。iPhoneのライトなどで充電口を照らし、中にどれくらいのホコリが詰まっているか、どのあたりにゴミがあるかを確認します。
ここで「うわ、思ったより汚れてる…」と驚く方も多いはずです。
ステップ3:エアダスターで大きなホコリを吹き飛ばす 次に、エアダスターを使って、内部のゴミを吹き飛ばします。この時、いくつか注意点があります。
- 缶を傾けすぎない: 傾けると冷却用の液体が噴射され、故障の原因になります。必ず垂直に立てて使用しましょう。
- 近づけすぎない: 噴射の勢いが強すぎると、逆にゴミを奥に押し込んでしまう可能性があります。10cmほど離れた位置から、短く「シュッ、シュッ」と数回に分けて吹き付けます。
- 連続噴射しない: 連続で噴射すると缶が冷え、噴射圧が弱まったり、液体が出やすくなったりします。
この工程だけで、軽いホコリは取り除ける場合があります。
ステップ4:つまようじで優しく”かき出す” ここが最も重要な工程です。つまようじを使い、固まってしまったホコリを慎重にかき出していきます。
- 絶対に強くこすらない: 充電口の内部には、充電とデータ通信を行うための繊細な端子があります。これを傷つけてしまうと元も子もありません。
- 壁に沿って優しく: つまようじの先端を、ポートの”壁”に沿わせるように動かします。底面にある端子には直接触れないように、側面や底面の隅をなでるようなイメージです。
- 「掘る」のではなく「かき出す」: 奥に詰まったホコリの塊の下に、そっとつまようじの先端を滑り込ませ、手前にかき出すように動かします。
これを繰り返すと、ある瞬間、「ポロッ」と圧縮されたホコリの塊が姿を現すことがあります。ポケットの繊維などが固まった、フェルト状の塊が取れることも珍しくありません。この「ごっそり取れた!」瞬間は、なかなかの快感ですよ。
ステップ5:再度エアダスターで仕上げ つまようじで大きなゴミを取り除いた後、再度エアダスターを軽く吹き付け、内部に残った細かなチリを吹き飛ばして仕上げます。
ステップ6:電源を入れて充電を確認 全ての工程が終わったら、iPhoneの電源を入れ、充電ケーブルを差し込んでみましょう。今までが嘘のように、スムーズに「カチッ」と奥まで差し込めて、充電が開始されれば成功です!
【絶対NG】iPhone充電口の掃除でやってはいけない危険な行為

良かれと思ってやった行為が、iPhoneの寿命を縮めることになりかねません。
以下の行為は絶対に避けてください。
金属製のもので掃除する(針、クリップ、安全ピンなど)
これは最も危険な行為です。
金属は電気を通すため、電源がオフであっても内部のコンデンサなどに蓄えられた電力でショートを引き起こす可能性があります。
そうなると、ロジックボード(人間でいう脳)が損傷し、完全にiPhoneが起動しなくなることも。修理費用も非常に高額になります。絶対に使用しないでください。

息を吹きかける
「フーフー」と息を吹きかけてホコリを飛ばそうとする方がいますが、これもNGです。人間の息には微量の唾液が含まれており、その湿気が充電口内部の金属端子を腐食させたり、水没反応を引き起こしたりする原因になります。
先の尖った硬いもので強くこする
つまようじであっても、力を入れすぎは禁物です。内部の金色の端子は非常にデリケートで、少しの傷がついただけでも接触不良を起こします。
最悪の場合、端子が折れたり剥がれたりしてしまい、パーツ交換が必要になります。
分解する
言うまでもありませんが、知識のない素人がiPhoneを分解するのは無謀です。特殊なネジが使われているだけでなく、内部は複雑なケーブルで繋がっています。
元に戻せなくなるだけでなく、分解した時点でAppleの保証は一切受けられなくなることがあります。
掃除しても充電できない場合の対処法

丁寧に掃除をしても症状が改善しない場合、原因は他にあると考えられます。以下の手順でトラブルシューティングを進めましょう。
別のケーブルやアダプタを試す
まずは原因の切り分けです。家族や友人の純正ケーブルやアダプタを借りて、充電できるか試してみましょう。
もし別のケーブルで充電できれば、原因はあなたのケーブルの断線です。新しいものを購入しましょう。
ソフトウェアの確認(再起動・アップデート)
前述の通り、ソフトウェアの不具合も考えられます。まずはiPhoneを再起動してみてください。それでもダメな場合は、iOSが最新の状態になっているか確認しましょう。
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」で確認できます。
それでもダメなら修理を検討
ここまでの手順を試しても充電ができない場合、残念ながらiPhone本体の物理的な故障である可能性が高いと言えます。その場合は、専門家による診断と修理が必要です。
主な修理の依頼先は以下の3つです。
- Apple Store / Apple正規サービスプロバイダ:
- メリット:純正パーツを使用した質の高い修理、安心感が最も高い。
- デメリット:修理費用が高額になる傾向、予約が取りにくい場合がある。
- 民間のiPhone修理店:
- メリット:比較的安価で、即日修理に対応してくれる店舗が多い。
- デメリット:店舗によって技術力や使用するパーツの品質にばらつきがある。
いずれにせよ、充電ポートの交換修理は1万円以上、基板の故障となると5万円以上の高額な費用がかかるケースも少なくありません。

万が一の故障に備える!修理費用をカバーする賢い選択肢

iPhoneの修理費用は年々高騰しており、突然の出費は家計に大きなダメージを与えます。
「あの時、保険に入っておけば…」と後悔する前に、万が一の事態に備えておくことは、現代のスマートフォンユーザーにとって必須の知識と言えるでしょう。
そこで選択肢となるのが、「AppleCare+」や「モバイル保険」のような補償サービスです。
AppleCare+ とは?
Appleが公式に提供している保証サービスです。購入から一定期間内に加入でき、製品保証を延長し、過失や事故による損傷に対する修理を特別なサービス料で受けられるようになります。
- メリット:
- Apple公式という絶対的な安心感。
- 修理は全て純正パーツを使用。
- エクスプレス交換サービス(新しいデバイスを先に送ってもらえる)が利用できる。
- 盗難・紛失プランも用意されている。
- デメリット:
- 月々の料金が比較的高額(iPhoneのモデルによる)。
- 補償対象は契約したデバイス1台のみ。
- 修理時には自己負担金が発生する(画面修理:3,700円、その他:12,900円など)。
編集長D部長も愛用「モバイル保険」の魅力
AppleCare+も素晴らしいサービスですが、よりコストパフォーマンスを重視する方や、複数のデバイスをお持ちの方に私が強くおすすめしたいのが、さくら少額短期保険株式会社が提供する「モバイル保険」です。
モバイル保険は、月額700円という手頃な価格で、あなたの通信機器を守ってくれる保険サービスです。
僕もかれこれ5年ほど加入しているのがモバイル保険になります。
iPhone、Macbook、AppleWatchの3台を加入させており、やはり複数台を1つの保険でカバーできるのは楽ですし、高額なデバイスを持っている身からすれば安心材料になります。
ゲーム機を持っている場合、ゲーム機を入れたりもできるので、幅広く保証してもらえるのにメリットを感じています。 このように、ライフスタイルに合わせて柔軟に補償対象を選べるのが最大の強みです。
- モバイル保険のメリット:
- 月額700円で最大3台まで補償: iPhoneの他に、iPadやApple Watch、PC、ゲーム機など、Wi-FiやBluetoothに繋がる機器なら自由に組み合わせられます。
- 年間最大10万円まで補償: 主端末は10万円、副端末は合計3万円まで。修理費用がこの範囲内であれば、自己負担額0円で修理が可能です。
- 新品・中古問わず加入可能: AppleCare+と違い、中古で購入したデバイスでも加入できるのは大きな利点です。
この記事を読んでくださっているあなたのように、一つのデバイスだけでなく、複数のガジェットを愛用している方にとって、モバイル保険は非常にメリットのある選択肢と言えるでしょう。
AppleCare+ vs モバイル保険 比較表
どちらのサービスが自分に合っているか、一目でわかるように比較表にまとめました。
項目 | モバイル保険 | AppleCare+ for iPhone 15 |
月額料金 | 700円(非課税) | 1,180円〜(税込) |
補償対象台数 | 最大3台(主1台、副2台) | 1台のみ |
年間補償上限 | 最大10万円(主端末) | 回数無制限 |
修理時の自己負担金 | 0円(補償上限内) | 画面損傷:3,700円 その他損傷:12,900円 |
対象機器 | Wi-Fi/Bluetooth接続可能な機器 (スマホ, PC, タブレット, ゲーム機等) | 契約したiPhoneのみ |
盗難・紛失 | 盗難は補償対象(修理不能扱い) 紛失は対象外 | 盗難・紛失プラン(別料金)で対応 |
バッテリー交換 | 対象外 | バッテリー最大容量が80%未満で無償交換 |
中古端末の加入 | 可能 | 不可(購入と同時か30日以内) |
どんな人にモバイル保険がおすすめ?
比較表からもわかるように、以下のような方には特にモバイル保険がフィットします。
・iPhone以外にもタブレットやPC、ゲーム機など複数のデバイスを持っている人
・家族のスマホもまとめて保険に入りたい人
・月々の固定費を少しでも抑えたい人
・中古のiPhoneを使っている、またはこれから購入予定の人
突然の出費に慌てることなく、安心して大切なデバイスを使い続けるために、保険への加入は是非検討してください。
よくある質問(FAQ)
- iPhoneの充電ができません。まず最初に何をすれば良いですか?
-
まずは故障と決めつけず、原因を切り分けることが大切です。一番多い原因は、充電口(Lightningポート)のホコリ詰まりです。
いきなり掃除を始める前に、一度iPhoneを再起動してみてください。
ソフトウェアの一時的な不具合であれば、これだけで改善することがあります。それでも直らない場合は、充電ケーブルや電源アダプタを別のものに交換して試してみましょう。 - 充電口を自分で掃除したいのですが、安全な方法と必要な道具を教えてください。
-
ご自身で掃除する場合、必ずiPhoneの電源を完全にオフにしてから作業してください。
用意するものは「つまようじ(木製か竹製)」「エアダスター」「ライト」の3点です。ライトで中を確認した後、エアダスターで大きなホコリを吹き飛ばし、つまようじで内部の壁に沿うように優しくゴミをかき出してください。端子を傷つけないよう、力を入れすぎないのがポイントです。
- 充電口の掃除で、絶対にやってはいけないことは何ですか?
-
最も危険なのは、金属製の針や安全ピン、クリップなどで掃除することです。
ショートしてiPhoneが完全に故障する可能性があります。また、息を吹きかけると湿気で内部が腐食する恐れがあるためNGです。つまようじを使う際も、内部の端子を強くこすると破損の原因になるので、あくまで優しく「かき出す」ように作業してください。
- 掃除しても直りません。修理に出すしかないでしょうか?また、修理に備える方法はありますか?
-
ご紹介した方法を試しても改善しない場合、バッテリーの劣化や本体の故障が考えられるため、専門家による修理を検討しましょう。
ただし、iPhoneの修理は高額になりがちです。万が一の出費に備え、「AppleCare+」や、月額700円でスマホやPCなど最大3台まで補償される「モバイル保険」のようなサービスへの加入がおすすめです。
特に複数のガジェットをお持ちの方には、モバイル保険がコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
まとめ
今回は、多くの人が経験するiPhoneの充電不良について、その原因から自分でできる安全な対処法、そして万が一の故障に備える保険の知識までを詳しく解説しました。
・充電不良の多くは、充電口のホコリが原因。
・掃除をする際は、必ず電源を切り、つまようじなど非金属製のもので優しく行う。
・息の吹きかけや金属の使用は、iPhoneを破壊する危険なNG行為。
・掃除しても直らない場合は、ケーブルや本体の故障を疑い、修理を検討する
・高額な修理費用に備え、「モバイル保険」のような補償サービスは賢い選択肢。
日々のちょっとしたメンテナンスで、iPhoneの寿命は大きく延びます。
そして、万が一のトラブルにもスマートに対応できる知識と備えがあれば、高価なiPhoneをより長く、安心して使い続けることができるでしょう。