スマホ保険ラボの編集長D部長です。
お風呂でスマホを使う人、めちゃくちゃ増えてますよね。
音楽を聴いたり、動画を見たり、SNSをチェックしたり…バスタイムにスマホは手放せない存在になっています。
でも「お風呂でスマホを使うのは危ない」という話、聞いたことありますか?
「最新のiPhoneは防水だから大丈夫でしょ」と思っている方も多いと思います。残念ながら、その考えはかなり危険です。
Appleが公式に言っている「耐水性能」は、私たちが思い描くような”完璧な防水”ではなく、限られた条件でのみ保証された性能にすぎません。そしてお風呂という場所は、スマホにとって想像以上に過酷な環境です。湯気・湿気・温度変化・シャンプー・入浴剤…目に見えない脅威が至る所に潜んでいます。
修理店で働いていた頃、「お風呂で使っていたら壊れた」という持ち込みは本当に多かったです。こういった故障のほとんどは液体の侵入が原因で、Appleの製品保証は使えません。数万円〜十数万円という修理費用を全額自己負担することになります。
この記事では、スマホ修理業に長年いたD部長が、「なぜお風呂でスマホを使うのが危険なのか」を具体的に説明します。そして「どうしてもお風呂で使いたい!」という方のために、リスクを少しでも減らす実践的な方法もしっかり紹介していきます。
今回はiPhoneを例に解説しますが、Androidでもほぼ同じリスクがあります。どのスマホを使っている方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
お風呂でスマホを使うのはなぜ危険?防水機能の誤解と本当のリスク

「iPhoneは防水だからお風呂でも平気」と思っているなら、まずその認識を改めてください。Appleが公式に発表しているiPhoneの性能は「防水」ではなく「耐水」です。この言葉の違いを知らずにお風呂にスマホを持ち込むと、取り返しのつかないことになりかねません。
「防水」と「耐水」は全然違う!iPhoneのIP68が意味すること
iPhoneの耐水性能は「IPコード(Ingress Protection Code)」という国際規格で表されています。iPhone 16シリーズ・17シリーズはいずれも「IP68」等級に対応しています。
「IP68」の読み方はこうです。
・最初の「6」(防塵):粉塵の侵入を完全に防ぐ、最高等級
・次の「8」(耐水):継続的な水没に耐えられる
iPhone 16/17シリーズの場合:最大水深6メートル・最大30分間(IEC規格60529準拠)
数字だけ見るとすごく頼もしいですよね。でも、ここに大きな落とし穴があります。Apple公式サイトには「実験室の管理された条件下でのテスト」と明記されており、これは「常温の真水」で「静止した状態」での試験結果です。お風呂のお湯のように温度が高く、シャワーのように水圧がかかり、入浴剤などの化学物質が混じった環境は、このテストの想定をはるかに超えています。
つまり、IP68はお風呂での使用をまったく保証していません。「IP68だから大丈夫」は、完全な思い込みです。
お風呂でスマホを壊す原因1位は「水没」じゃなく「湯気」
お風呂でスマホが壊れる原因として真っ先に思い浮かぶのは水没だと思いますが、実は一番多いのは「湯気(水蒸気)」による内部侵食です。
湯気は水の粒子が極めて細かいため、スピーカーの網目・充電ポート・SIMカードトレイのわずかな隙間から内部に入り込みます。内部に侵入した水蒸気は、温度が下がると結露して基板やコネクタに付着。その水分が電子回路をショートさせたり、金属部品を腐食させたりします。
「直接濡らしてもいないのに壊れた」というケースのほとんどが、この湯気による内部侵食です。スマホを浴槽に落としていなくても、お風呂に持ち込んでいるだけでリスクはあります。
冬場は特に要注意!温度差による「結露」のリスク
冬のお風呂上がりに気をつけてほしいのが、急激な温度変化による「結露」です。
暖かい浴室から寒い脱衣所・部屋にスマホを移動させると、内部と外部で急な温度差が生じます。冷たいメガネが暖かい部屋で曇るのと同じ原理で、スマホの内部に結露が発生することがあります。
この結露がディスプレイの裏側やカメラレンズの内側に発生すると、画面にシミができたり、写真がぼやけたりします。修理費用も高額になりやすく、お風呂に直接落としていなくても起こりうるリスクです。
シャンプーや入浴剤がパッキンを劣化させる
お風呂では、シャンプーやボディソープ、入浴剤などがスマホに付着する可能性があります。これらには界面活性剤・塩分・油分などさまざまな化学物質が含まれています。
真水と違い、こうした化学物質はiPhoneの耐水性能を支えるゴム製パッキンや、画面の撥水・撥油コーティングを少しずつ劣化させます。パッキンが傷めば耐水性能は一気に落ち、水分が入りやすくなります。そして、一度劣化した耐水性能は元には戻りません。お風呂での使用を続けるほど、スマホの寿命を確実に縮めていきます。

それでもお風呂でスマホを使いたい!リスクを減らす4つの対策

リスクを理解した上で、それでもお風呂でスマホを使いたいという方のために、被害を最小限に抑える方法を4つ紹介します。これらはあくまで「リスクを減らす」対策であり、完全に安全になるわけではありません。その点は念頭に置いてください。
【対策1】防水ケース・防水ポーチで物理的に守る(最も効果的)
最も効果的なのは、スマホを物理的に水から遮断することです。信頼できる防水ケース・防水ポーチを選ぶときは、以下のポイントを確認してください。
・IP等級の高さ:「IPX8」など最高レベルの防水性能を持つ製品を選ぶ
・密閉性:ロック機構が二重・三重になっているものが安心。使用前に中にティッシュを入れて水に沈め、浸水しないか必ずテストする
・操作性:ケースに入れたままタッチ操作・ボタン操作がスムーズにできるか確認する(感度が悪い製品もあるのでレビュー参照)
・素材の透明度:画面やカメラ部分が透明で、動画視聴の妨げにならないか確認する
安い製品も多いですが、大切なスマホを守るための投資と考えて、信頼できるメーカーのものを選ぶことをおすすめします。
スマ子ダイソーの防水ポーチでも代用できますか?
編集長ジップロックやダイソーの安価なポーチは密閉性が低く、薄いため穴が開きやすいです。湯気も防げないし、袋の上からの操作性も悪い。気休め程度にはなりますが、スマホをしっかり守れるとは言えません。
お風呂専用の防水ケースを使ってください。
【対策2】置き場所を工夫して湯気・水圧・落下を防ぐ
防水ケースに入れても、置き場所を間違えると意味がありません。
・浴槽の縁や蓋の上は避ける(落下・水没リスク大)
・シャワーが直接かからない場所に置く(水圧でケースの密閉性が破られる可能性あり)
・できるだけ浴槽から離れた棚など、湯気の少ない場所に置く
・乾いたタオルを敷いて滑り止め&底面からの冷えによる結露を軽減
【対策3】使用時間は「動画1本分」まで。長風呂は禁物
浴室は高温多湿な環境で、スマホにとって過酷な空間です。長時間置けばおくほど故障のリスクは上がります。
防水ケースの中でも温度が上がって結露が発生することがあります。バッテリーへの負荷も増します。「見たい動画1本」「聴きたいアルバム1枚」と時間を決めて使い、「気づいたら1時間経っていた」という使い方は絶対に避けてください。
【対策4】濡らしてしまったときの正しい初期対応
万が一スマホが濡れてしまったら、落ち着いて以下の手順で対応してください。
① すぐに電源を切る:通電したまま水分があるとショートしやすくなります。絶対に電源を入れたり、充電ケーブルを接続したりしないでください。
② 表面の水分を拭き取る:糸くずが出ない柔らかい布(メガネ拭きなど)で優しく拭きます。
③ SIMカードを抜く:SIMトレイを開けてSIMを取り出し、内部の水分も拭き取ります。トレイを開けたままにすることで換気にもなります。
④ 優しく叩いて水を出す:コネクタを下に向けて、手のひらで軽くトントンと叩き、内部の水分を排出させます。
⑤ 風通しの良い場所で自然乾燥:最低1時間は自然乾燥させます。ドライヤーの熱風・米びつへの埋め込みはNGです(部品が傷む・ホコリが入る原因になります)。
初期対応をしっかり行っても、後から腐食が進んで故障することがあります。「拭いたら動いた」からといって油断は禁物です。

【重要】お風呂での水没は保証対象外!Appleの公式見解

ここが最も重要なポイントです。iPhoneが液体によって損傷した場合、Appleの1年間の製品保証の対象外になります。
Apple公式サイトには「液体による損傷は保証の対象になりません」と明記されています。さらに、iPhoneの内部には「液体浸入インジケータ(LCI)」が複数設置されており、液体が触れると色が変化します。修理時にはこのインジケータが必ず確認されます。
液体浸入インジケータ(LCI)の確認場所
SIMカードトレイのスロット内部。通常は白色または銀色で、液体に触れると赤色に変わります。赤くなっていた場合、Appleの保証は適用されず有償修理または本体交換となります。
お風呂での使用による故障は「液体による損傷」に該当するため、すべて自己責任です。また、Apple公式は以下の行為を明確に禁止しています。
・iPhoneを着用したまま泳ぐ・入浴する
・シャワー・ウォータースキー・サーフィンなど、水圧が強い・流速が大きい水をかける
・サウナやスチームルームで使用する
・推奨温度範囲外・極度に湿度の高い環境で動作させる
お風呂でスマホを壊したときの修理費用はいくら?
万が一、お風呂でスマホが故障してしまった場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
iPhoneの修理費用の目安
Appleで修理する場合の費用は、損傷の程度によって大きく異なります。
画面の修理(表示不良・タッチ操作の不具合など)
→ 比較的新しいモデルで5万円〜7万円程度
その他の損傷・本体交換(水没など画面以外の損傷)
→ 基本的に本体交換となり、新しいモデルでは10万円超えも珍しくない
この突然の高額出費リスクをカバーするのが「AppleCare+」や「スマホ保険」です。Androidの場合もメーカーや通信会社が提供する保証サービスがあります。
AppleCare+ vs モバイル保険、どっちがお得?徹底比較

iPhoneユーザーが選べる代表的な保証サービスが、Apple公式の「AppleCare+ for iPhone」と、D部長イチオシの「モバイル保険」です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
AppleCare+ for iPhoneのメリット・デメリット
モバイル保険のメリット・デメリット
モバイル保険は、さくら少額短期保険株式会社が提供するモバイル機器専門の保険です。

比較表:あなたに合うのはどっち?
| 項目 | AppleCare+ for iPhone | モバイル保険 |
|---|---|---|
| 月額料金 | 機種により異なる(例:iPhone 16 Proで1,880円) | 700円(非課税) |
| 補償対象台数 | 1台のみ | 最大3台(主端末1台+副端末2台) |
| 年間補償上限 | 回数制限なし | 最大10万円(主端末) |
| 修理時の自己負担 | あり(画面:3,700円 / 背面ガラス・その他:12,900円) | 0円 |
| 修理回数制限 | なし | なし(上限金額に達するまで) |
| 修理場所 | Apple正規店のみ | 正規店・非正規店(登録修理業者)どちらもOK |
| 対象機器 | iPhoneのみ | Wi-Fi・Bluetooth接続できるモバイル機器全般 |
| 盗難・紛失補償 | 盗難・紛失プランあり(料金が上がる) | 盗難のみ(最大25,000円) |
Apple公式の安心感・手厚いサポートを重視するなら「AppleCare+」。コストパフォーマンス・複数台補償・自己負担なしを重視するなら「モバイル保険」が有利です。
お風呂でスマホを使うというリスクの高い習慣があるなら、修理回数の制限がなく自己負担もないモバイル保険は特に心強い選択肢になります。
編集長僕も5年以上モバイル保険に入っています。iPhone・MacBook・Apple Watchの3台を登録していて、複数台を1つの保険でカバーできるのが本当に楽です。お子さんのNintendo Switchも一緒に登録できるので、ゲーム機が心配なご家庭にもかなりおすすめですよ。
よくある質問(FAQ)
- お風呂でスマホを充電するのはダメですか?
-
絶対にやめてください。充電ポートが濡れた状態でケーブルを接続すると、ショートしてスマホ本体・ケーブル・充電器が壊れるリスクが非常に高いです。
感電の危険性もあります。iPhoneは濡れを検知すると警告を表示しますが、その機能に頼らず、浴室での充電は絶対に行わないでください。
- 防水ケースを使えば100%安全ですか?
-
100%安全とは言い切れません。ロックが甘い・パッキンが劣化している・目に見えない傷があるだけで浸水する可能性があります。ケース内の結露も防ぎきれません。
防水ケースはリスクを大幅に減らすツールですが、過信は禁物です。使用前の浸水チェック(中にティッシュを入れて水に沈めるテスト)を必ず行ってください。
- 水没マーク(LCI)はどこで確認できますか?
-
SIMカードトレイのスロット内部で確認できます。電源を切ってSIMトレイを引き出すと、その奥にLCIが見えます。通常は白色か銀色ですが、液体に触れると赤色に変わります。赤くなっていた場合はAppleの保証対象外になります。
- Android(Galaxy・Pixelなど)のスマホもお風呂はダメですか?
-
基本的に同じリスクがあります。多くのAndroidスマホもIP67・IP68等級に対応していますが、テスト条件はiPhoneと同じく常温の真水・静止した状態です。メーカー各社も入浴中の使用は推奨していません。機種によってIP等級が異なるため、購入前に確認しておきましょう。
まとめ
お風呂でスマホを使うリスク、改めてまとめます。
・iPhoneのIP68は「常温の真水・静止した状態」でのテスト結果。お風呂環境は想定外
・湯気・結露による内部侵食が、お風呂での故障の主な原因
・シャンプー・入浴剤はパッキンを劣化させ、耐水性能を下げる
・液体による損傷はApple保証の対象外。修理費は数万円〜10万円超
・どうしても使いたいなら防水ケース+置き場所の工夫+短時間使用を徹底する
・万が一の備えとしてAppleCare+またはモバイル保険への加入を検討する
バスタイムを豊かにしたい気持ちはよくわかります。でも、スマホが壊れたときの修理費用を考えると、しっかりとした対策なしにお風呂に持ち込むのはあまりにもリスクが高いです。今回紹介した対策をしっかり守り、万が一の故障に備えて保険サービスの見直しや加入も検討してみてください!
