スマホ保険ラボの編集長D部長です。
「毎月の通信費を下げたいからahamoに乗り換えたい。でも、auで買ったiPhoneの分割払いがまだ残っているし、スマホトクするプログラムの特典が消えてしまうのではないか」
こんな不安から、高い通信費を払い続けているユーザーは少なくありません。
特に最近のスマートフォンは高額になっており、プログラムによる「2年後の残価免除」を前提に購入している方がほとんどではないでしょうか。
結論から言うと、auの回線を解約してahamoに乗り換えても、「スマホトクするプログラム」は継続利用できます。2年後に端末を返却すれば、残債(最終回分)の支払いは不要です。
通信契約と端末購入契約は法的に分離されているため、回線だけを他社(ahamo)に移し、端末の分割払いと特典の権利だけをauに残すという使い方は、正規の手続きとして認められています。
この記事では、「auの残債を残したままahamoへ賢く移行するための手順」と、「注意すべき「返却時の落とし穴」、そして実際にどれくらい安くなるのか」というコスト試算について、実務的な視点で解説します。
結論:ahamoに乗り換えても「スマホトクするプログラム」は継続される

まず押さえておきたいのは、auを解約しても端末の分割契約がその場で精算されるわけではないということです。au公式サイトにも「au回線解約後も本プログラムの継続利用は可能です」と明記されています。
「回線契約」と「端末契約」は別物
かつての携帯電話契約では、解約と同時に端末代金の一括返済を求められるケースがありましたが、現在は総務省の指導によって完全に分離されています。つまり、通信サービスを提供する会社と、端末の分割代金を請求する会社が別々になっているわけです。
ahamoに乗り換えた後は、以下のように請求元が2つに分かれるだけです。
・ahamo(ドコモ):通信サービスを提供し、基本料金を請求する
・au(KDDI):端末の分割代金を請求し、プログラムを管理する
クレジットカードの明細には、NTTドコモ(ahamo利用料)とKDDI(端末分割金)の2行が記載されることになります。この仕組みを理解しておけば、「乗り換えたら残債を一括で払わされるのでは?」という心配は無用だとわかるでしょう。
特典利用(端末返却)の権利も消失しない
「スマホトクするプログラム」の核心は、24回目(最終回分)の支払いを、端末返却を条件に免除するという点です。この権利は回線契約の有無に左右されません。
ahamoを使っている状態であっても、購入から13ヶ月目〜25ヶ月目の間にauへ端末を返却すれば、当初の設定通り残価の支払いは不要となります。つまり「ahamoにすると損をする」ということは、仕組み上ありえないのです。
これはau公式サイトでも確認できる内容なので、安心して乗り換えを検討してください。
auからahamoへ:乗り換え前に理解すべき「残債」の仕組み

スムーズに移行するためには、現在加入しているプログラムの仕組みを改めて確認し、今後の支払いスケジュールを把握しておく必要があります。ここを押さえておけば、乗り換え後も混乱することはありません。
スマホトクするプログラムの構造
このプログラムは、機種代金の一部を残価(24回目の支払い分)として据え置き、残りの金額を23分割して支払う仕組みです。いわゆる「残価設定型」の分割払いで、車のローンで採用されている方式と似ています。
たとえば、96,600円のスマホを購入し、2年後の残価設定額が38,640円だった場合を見てみましょう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 機種代金総額 | 96,600円 |
| 残価(24回目) | 38,640円 |
| 実質負担金 | 57,960円(96,600円 – 38,640円) |
| 毎月の支払額(23回) | 2,520円 |
ahamoに乗り換えた後も、この「2,520円」の請求がauから毎月届きます。
そして25ヶ月目に端末をauに返却すれば、38,640円の支払いは免除されます。支払い先が分かれるだけで、金額や条件は一切変わらないということを覚えておいてください。
そのまま使い続ける(買い取り)選択肢
ahamoに乗り換えた後、その端末が気に入っていて返却したくない場合は、返却せずに使い続けることも可能です。
その場合、据え置かれていた残価(上記の例では38,640円)が、自動的に再度24分割され、支払いが継続します。特別な手続きをしなくても、返却しなければ自動的に「買い取り」コースへ移行するため、利用者の選択肢は常に確保されています。
つまり、2年後に「やっぱりこのスマホ気に入っているから返却したくない」と思った場合でも、何も連絡せずにそのまま使い続ければOKです。逆に言えば、返却を希望する場合は自分から手続きを行う必要があるので、この点は忘れないようにしましょう。

具体的な乗り換え手順とSIMロック解除

au端末を持ったままahamoへ移行する際は、物理的な端末設定と契約上の手続きの両方が必要になります。一つずつ確認していきましょう。
SIMロック解除の確認
2021年10月1日以降に発売されたauのスマートフォン(iPhone 13シリーズ以降など)は、原則としてSIMロックがかかっていない状態で販売されています。この場合は手続き不要なので、次のステップに進んでください。
それ以前の端末(iPhone 12シリーズなど)を使っている場合は、SIMロック解除が必要です。手続き方法は2つあります。
| 手続き方法 | 手数料 |
|---|---|
| My auから手続き | 無料 |
| auショップで手続き | 3,300円 |
コストを考えれば、My au(ウェブ)からの手続き一択です。ahamoのSIMカードを挿入する前に、必ず完了させておいてください。なお、SIMロック解除の手続き自体は10分程度で終わるので、それほど手間はかかりません。
MNP予約番号の発行
auから転出するための「MNP予約番号」を取得します。
最近では「MNPワンストップ方式」が導入されており、ahamoの申し込み画面でauのマイページにログインすることで、予約番号の発行なしで乗り換えが完了するケースも増えています。
ただし、システムトラブルを避けるために事前に取得しておく従来の方法も有効です。特に週末や月末は申し込みが集中してエラーが起きやすいので、余裕を持って準備しておくと安心です。MNP予約番号はMy auから無料で発行でき、有効期限は15日間あります。
ahamoの申し込みとau IDの継続
ahamo公式サイトから申し込みを行います。
ここで非常に重要なのが「au ID」の維持です。au解約後も、端末の分割支払いや「スマホトクするプログラム」の返却手続きにはau IDを使用します。
通常、au解約後もau IDは自動的にキャリアフリーのIDとして存続します。しかし、メールアドレスをauキャリアメール(@au.com / @ezweb.ne.jp)に設定している場合、解約と同時に受信できなくなってしまいます。
必ず解約前に、au IDの連絡先メールアドレスをGmailなどのフリーメールに変更してください。
これを忘れると、端末返却時の本人確認コードが受け取れず、手続きが進められなくなる原因となります。実際にこのトラブルで困っている方は多いので、乗り換え前に必ず確認しておきましょう。変更はMy auの「au ID設定」から行えます。

コストシミュレーション:auとahamoの料金比較

実際に乗り換えることで、トータルの通信費・端末費がどう変わるかを比較してみましょう。数字で見ると、どれだけお得になるかが一目瞭然です。
前提条件
- 現在:au「使い放題MAX+ 5G/4G」(割引適用前)+端末分割金
- 乗り換え後:ahamo(2,970円/30GB)+端末分割金(auへ支払い)
比較表:月額支払額の推移
| 項目 | au利用中(現在) | ahamo移行後 | 差額(節約額) |
|---|---|---|---|
| 基本プラン料金 | 7,788円(使い放題MAX+ 5G/4G) | 2,970円(ahamo 30GB) | -4,818円 |
| 通話オプション | 0円(従量課金) | 0円(5分通話無料込み) | 0円 |
| 端末分割金 | 2,520円(例) | 2,520円(auへ継続支払い) | ±0円 |
| 合計月額 | 10,308円 | 5,490円 | -4,818円 |
※auの料金は「家族割プラス」「auスマートバリュー」などの割引適用前の定価(2025年8月料金改定後)で算出。 ※ahamoは月間データ容量30GB。
年間での節約効果
月額約4,800円の差額が発生します。年間では約57,000円の節約となります。
この金額があれば、2年後の端末返却時にさらに新しいiPhoneやAndroid端末を購入する際の頭金に充てられますし、場合によっては一括購入の予算としても十分な額です。
「スマホトクするプログラム」で端末代を抑えつつ、通信費もahamoで抑えるという組み合わせは、現在の通信環境において最もコスパの良い選択肢の一つと言えるでしょう。
編集長私自身、ahamoをメイン回線として5年近く利用しています。
現在は月額2,970円で30GBという容量になり、日常使いでテザリングを多用しても十分な余裕があります。
何よりドコモ本家と同じネットワーク設備をそのまま使っているため、格安SIMにありがちな「お昼時の通信速度低下」でストレスを感じることがありません。
また、地味ながら便利なのが「5分通話無料」が標準で付いている点です。お店の予約やちょっとした問い合わせなど、LINE通話が使えない場面での通話料リスクがなくなるのは、着実な節約になります。飲食店への予約電話が5分を超えることはほとんどないので、通話オプションを追加する必要もありません。
さらに、ahamoは追加料金なし・申し込み不要で、海外91の国・地域でそのままデータ通信ができます。現地に到着した瞬間、普段通りスマホがつながる安心感はかなり高いです。
複雑な条件分岐がなく、誰でも同じ料金で同じ高品質を受けられるシンプルさは、通信費を見直したいすべてのユーザーにとって最適解だと感じています。
注意点:ahamo移行時に失うもの・気をつけるべきこと

メリットばかりではありません。auから離れることで発生するデメリットについても、きちんと把握しておく必要があります。ここを見落とすと、乗り換え後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性があります。
auメールの持ち運びは有料
auのキャリアメール(@au.comなど)は解約と同時に使えなくなります。もし、銀行口座やウェブサービスの登録にキャリアメールを使っている場合、すべて変更する必要があります。
どうしてもauのメールアドレスを維持したい場合は、「auメール持ち運び」サービス(月額330円)に別途申し込む必要があります。ただし、ahamoに乗り換えてコスト削減を目指す趣旨とは逆行するため、Gmail等への完全移行がおすすめです。
乗り換え前に、キャリアメールで登録しているサービスを洗い出して、すべてフリーメールに変更しておきましょう。特に銀行や証券会社、クレジットカードの連絡先メールは優先的に変更しておくべきです。
スマートバリュー・家族割への影響
自宅のインターネット回線(auひかり等)とのセット割である「auスマートバリュー」や、家族の人数に応じた「家族割プラス」は、あなたがauを抜けることで適用外となります。
さらに注意すべきは、「残された家族の料金が上がる可能性がある」点です。家族割プラスは回線数によって割引額が決まるため、あなたが抜けることで家族の回線数が減り(たとえば3人→2人)、家族の携帯料金が月額550円〜1,100円程度上昇するケースがあります。
世帯全体の通信費として計算した場合、トータルで本当に安くなるのか、事前に確認が必要です。家族にauユーザーがいる場合は、乗り換え前に一度シミュレーションしてみてください。
端末返却の手続きは自分で行う
au契約中はショップでのサポートが手厚いですが、ahamo移行後に端末を返却する場合、基本的にはMy auからの郵送手続き、またはauショップへの持ち込みを「回線契約のないユーザー」として行うことになります。
郵送の場合は回収キットを取り寄せ、自分で梱包して返送するプロセスが発生するため、スケジュール管理は自己責任となります。返却期限(25ヶ月目の末日)を過ぎると、自動的に残価の再分割払いが始まってしまうため、カレンダーへの登録が必須です。
おすすめは、端末購入時にスマホのカレンダーアプリで「返却期限」のリマインダーを設定しておくことです。2年後のことは忘れがちなので、乗り換えのタイミングで設定しておきましょう。

よくある質問(FAQ)
ahamoへの乗り換えとスマホトクするプログラムに関して、よく寄せられる疑問をまとめました。
- ahamoに乗り換えた後、端末返却時に画面が割れていたらどうなりますか?
-
画面割れや故障がある場合、別途「故障時利用料」として最大22,000円(不課税)の支払いが必要になる場合があります。Androidで「故障紛失サポート」に加入している場合は2,200円に軽減され、iPhoneで「AppleCare+」が有効な場合は事前に修理することで費用を抑えられます。
au解約時にこれらの補償オプションも解約していないか確認が必要です。補償オプションもau IDに紐づいて継続可能ですので、新しい端末を買うまでは継続することをお勧めします。 - 端末の残債を一括で支払ってしまうことは可能ですか?
-
可能です。My auやauショップにて、残りの分割代金を一括で精算できます。
ただし、一括精算した時点で「スマホトクするプログラム」の権利(残価の免除権)は消滅する場合があるため、返却予定であれば分割払いのまま維持する方がお得です。返却しない(買い取る)と決めた場合にのみ、一括精算を検討してください。
- ahamo契約中に、またauの「スマホトクするプログラム」を使って機種変更できますか?
-
以前は可能でしたが、2025年7月以降、新たにスマホトクするプログラムを利用する場合はau回線の契約が必要となりました。そのため、ahamo契約中に新規でプログラムに加入することはできません。
ただし、既存のプログラム(au契約時に加入したもの)は継続して利用できます。端末購入を検討している場合は、Apple Storeやメーカー直販サイトの価格と比較検討することをお勧めします。
- 乗り換え時に再度の審査はありますか?
-
ahamoの契約審査(通信契約が可能かどうかの審査)は行われます。過去にドコモ系列で未納がないか、などが確認されます。
一方で、端末の分割払いに関する審査(割賦審査)は、すでにauで購入済みであるため、新たな審査は発生しません。現在支払いが遅れていなければ、問題なく継続利用できます。
まとめ
auの「スマホトクするプログラム」を利用中にahamoへ乗り換えることは、決して複雑な手続きではありませんし、違約金などのペナルティもありません。むしろ、以下の3点を押さえておけば、通信費を大幅に圧縮できる賢い選択となります。
・プログラムは継続可能:回線をahamoに移しても、端末の分割払いと2年後の返却(残債免除)の権利は維持される。
・au IDの管理:連絡先メールアドレスをGmailなどに変更し、IDを確実に引き継ぐことが最重要。
・コストメリット:端末代はそのままに、通信費のみを月額4,800円規模で削減できる可能性が高い。
重要なのは、端末の「所有」と通信の「利用」を切り離して考えることです。auには端末代金という「モノの対価」を払い続け、ahamoには通信という「サービスの対価」を払う。この整理さえつけば、高額な無制限プランに縛られ続ける理由はなくなります。
現在、ahamoはデータ容量が30GBに増量され、海外利用の利便性も高まっています。2年後の端末返却時期が来るのを待つのではなく、今すぐ回線だけでも移行することで、残りの期間の固定費を確実に下げられます。まずは、ご自身のau IDの設定確認から始めてみてはいかがでしょうか。

