スマホ保険ラボの編集長D部長です。
AirPods 4を購入する、あるいは既に持っている方にとって、保険への加入は気になるところでしょう。
小さくて高価なデバイスだからこそ、万が一故障したり紛失したりした時のダメージは大きくなります。
修理や交換には1万円以上かかることも珍しくなく、場合によっては新品購入と変わらない金額になってしまうこともあります。
そこで検討したいのが、AppleCare+やモバイル保険といった補償サービスです。しかし、「どちらに入るべきか」「そもそも保険は必要なのか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「AirPods 4に特化してAppleCare+とモバイル保険の補償内容、費用、特徴」を詳しく比較します。
AirPods 4の製品スペック

まず、保険の話に入る前に、AirPods 4がどのような製品なのかを確認しておきましょう。2024年9月20日に発売されたAirPods 4には、2つのモデルが存在します。
2つのモデル展開
・AirPods 4(通常モデル)
価格:21,800円(税込)
アクティブノイズキャンセリング機能は非搭載で、AirPodsシリーズでは最も手頃な価格帯のモデルです。それでもH2チップを搭載し、空間オーディオやパーソナライズされた音質を楽しめます。
・AirPods 4 アクティブノイズキャンセリング搭載モデル
価格:29,800円(税込)
開放型イヤホンとしては初めてアクティブノイズキャンセリング機能を搭載した画期的なモデルです。
外部音取り込みモードや適応型オーディオ、会話感知機能など、上位機種ならではの機能が充実しています。
主な仕様・特徴
・チップ:Apple H2チップ搭載により、オーディオと通話音質が大幅に向上
・バッテリー駆動時間:
- AirPods 4(通常モデル):最大5時間の再生時間、充電ケース使用で最大30時間
- AirPods 4(ANC搭載):ANCオン時は最大4時間、ANCオフ時は最大5時間、充電ケース使用で最大30時間(ANCオフ時)、20時間(ANCオン時)
・音質機能:
- パーソナライズされた空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング
- アダプティブイコライゼーションで耳の形状に合わせて自動調整
- 高ダイナミックレンジアンプと専用Appleドライバーによる歪みの少ない再生
・通話機能:
- 「声を分離」機能で雑音の大きい場所でもクリアな通話
- AAC-ELD音声コーデック技術でHD品質のFaceTime通話
・防塵・防水性能:IP54等級(ANC搭載モデルのみ)の防塵性能と耐汗耐水性能
・充電方式:
- USB-C充電対応
- ANC搭載モデルはワイヤレス充電(Qi規格)、Apple Watchの充電器にも対応
・その他の機能:
- 「Hey Siri」でのハンズフリー操作
- Siriへの応答(うなずく/首を横に振る)
- 「探す」機能対応(ANC搭載モデルは充電ケースで音を鳴らすことも可能)
- デバイスを自動認識して耳から外すと再生を一時停止
このように、AirPods 4は小型で高機能なデバイスです。しかし、その小ささゆえに紛失のリスクが高く、精密機器であるがゆえに故障の可能性も否定できません。だからこそ、保険の検討が重要になってくるのです。
AirPods 4の保険を検討すべき理由

AirPodsはその小型さと日常的な使用頻度から、故障や紛失のリスクが高い製品です。通勤・通学、ジムでのトレーニング、散歩中、カフェでの作業など、あらゆるシーンで使用されるAirPodsだからこそ、トラブルに遭遇する確率も高くなります。
想定されるリスクと実際の事例
物理的損傷のリスク
落下や踏みつけによる本体の破損は、AirPodsユーザーが最も経験しやすいトラブルです。ポケットから取り出す際に落としてしまう、電車やバスの座席に置き忘れて踏まれる、床に落ちているのに気づかず踏んでしまうといった事例をよく聞きます。
また、水濡れによる故障も深刻です。ANC搭載モデルはIP54等級の防水性能を持っていますが、これは完全防水ではありません。雨に濡れる程度なら問題ありませんが、洗濯機で洗ってしまった、飲み物をこぼした、汗が大量に付着したまま長時間使用したといったケースでは故障の可能性があります。通常モデルには防水性能がないため、さらに注意が必要です。
バッテリー劣化の問題
AirPodsのバッテリーは消耗品です。使用期間が長くなるにつれて、フル充電しても使用時間が短くなっていきます。特にヘビーユーザーの場合、1年半から2年程度で顕著な劣化を感じるケースが多いようです。
新品時は最大5時間の再生時間があっても、2年後には3時間程度になってしまうこともあります。通勤や通学で毎日使用する方にとって、バッテリー劣化は問題です。
紛失・盗難のリスク
AirPodsの最大の弱点は、その小ささゆえの紛失リスクです。特に片耳だけを失くすケースが非常に多く報告されています。充電ケースから片方だけ落ちていることに気づかない、耳から外した際にどこかに落としてしまう、カバンの中で迷子になるといった事例があります。
また、カフェやジム、オフィスなどの公共の場所での盗難リスクも無視できません。充電ケースごとテーブルに置いたまま席を離れたら無くなっていた、というケースも報告されています。

修理・交換にかかる実際の費用
AirPods 4の修理費用は、保険未加入の場合かなり高額になります。
・本体(イヤホン片側)の交換:11,400円
左右どちらかを紛失または故障した場合、片方だけで11,400円の費用がかかります。両方となれば22,800円で、21,800円の通常モデルなら新品購入とほぼ変わらない金額になってしまいます。
・充電ケースの交換:
- 通常モデル:9,000円
- ANC搭載モデル:11,400円
充電ケースを紛失したり破損させたりした場合も、決して安くはない費用が発生します。
・バッテリー交換:7,900円
このように、保険に加入していない場合の修理・交換費用は、新品購入価格に迫る、あるいは超える可能性があります。だからこそ、保険への加入が重要な検討事項となるのです。
AppleCare+ for Headphonesの特徴

AppleCare+ for Headphonesは、Appleが提供する公式保証サービスです。AirPods 4の場合は2年間の保証で4,600円(税込)という価格設定になっています。購入から30日以内に加入する必要があり、一括払いでの購入となります。
補償内容の詳細
製品保証期間の延長
通常、AirPodsには購入日から1年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償テクニカルサポートが付いています。
AppleCare+に加入することで、これが購入日から2年間に延長されます。製造上の不具合や自然故障については、この期間中であれば無償で対応してもらえます。
低価格な修理サービス
過失や事故による損傷が発生した場合でも、一律3,700円(税込)のサービス料で修理または交換が可能です。これは利用回数に制限がなく、2年間の保証期間中であれば何度でも利用できます。
未加入の場合、本体1個の交換に11,400円、充電ケースの交換に9,000円~11,400円かかることを考えると、1回の利用で元が取れる計算になります。
例えば、AirPodsを落として破損させてしまった場合、AppleCare+に加入していれば3,700円で交換できますが、未加入だと11,400円必要です。差額は7,700円にもなります。
バッテリー交換補償
AirPodsのバッテリー容量が元の80%未満になった場合、無償で交換してもらえます。これはAppleCare+の大きなメリットの一つです。
ただし、実際に2年以内にバッテリー容量が80%未満まで劣化するかどうかは、使用頻度によって大きく異なります。毎日数時間使用するヘビーユーザーであれば2年以内に条件を満たす可能性がありますが、週末だけの利用といったライトユーザーの場合、80%未満まで劣化しない可能性もあります。
エクスプレス交換サービス
通常の修理では、AirPodsを送付してから修理完了まで数日から2週間程度かかり、その間は使用できません。しかし、エクスプレス交換サービスを利用すれば、交換品が先に届き、故障した製品と引き換えに配送業者に渡すだけで手続きが完了します。
AirPodsが使えない期間を最小限に抑えられるため、毎日の通勤・通学で使用している方には特に便利なサービスです。エクスプレス交換サービス自体に追加料金はかかりませんが、修理と同じ3,700円のサービス料は発生します。
加入方法と注意点
AppleCare+は、AirPods購入時に同時購入するか、購入後30日以内に追加購入する必要があります。30日を過ぎると加入できなくなるため、購入後早めに判断する必要があります。
加入方法は主に3つあります:
・Apple Storeや家電量販店での購入時に同時加入
・Appleの公式サイトでシリアル番号を入力して加入
・電話(0120-277-535)でカスタマーサポートに連絡して加入
オンラインで加入する場合、リモート診断が必要になることがあります。既に破損している製品には加入できないため、購入後できるだけ早く加入することをおすすめします。
メリットとデメリット
メリット
デメリット
一方で、いくつかの制約もあります。
モバイル保険の特徴

モバイル保険は、さくら少額短期保険株式会社が提供する保険商品で、ワイヤレスイヤホンを含むモバイル端末全般を対象としています。AirPodsだけでなく、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、スマートウォッチ、ゲーム機など、Wi-FiやBluetooth接続が可能なモバイル機器を幅広くカバーできるのが特徴です。
補償内容の詳細
月額700円で最大3台まで補償可能
モバイル保険の最大の特徴は、1つの契約で最大3台までの端末を補償できる点です。月額700円という料金で、主端末1台と副端末2台を登録できます。
例えば、iPhoneを主端末、AirPods 4とApple Watchを副端末として登録すれば、3つのデバイスすべてが月額700円で補償されます。AppleCare+をそれぞれに加入すると年間で数万円かかることを考えると、コストパフォーマンスに優れています。
年間補償限度額10万円、利用回数無制限
主端末は年間最大10万円まで、副端末はそれぞれ年間最大3万円まで補償されます。修理費用の自己負担金はゼロで、年間の利用回数に制限もありません。
つまり、年間の限度額内であれば、何度修理しても追加の費用負担はありません。小さな故障が頻繁に起こる場合でも、安心して修理に出せます。
幅広い補償範囲
補償される範囲は以下の通りです:
・故障(自然故障、経年劣化を除く)
・外装破損
・損壊
・水濡れ、水没
・盗難(警察への届出が必要)
ただし、紛失は補償対象外です。盗難は補償されますが、自分で置き忘れた、どこかに落としたといった紛失は対象になりません。
対象機種の幅広さ
新規取得から1年未満の、無線通信(Wi-Fi、Bluetooth等)が可能な端末が対象です。AirPodsはもちろん、以下のような機器も登録できます:
・スマートフォン(iPhone、Android)
・タブレット(iPad、その他のタブレット)
・ノートパソコン(MacBook、Windows PC)
・スマートウォッチ(Apple Watch、その他)
・ワイヤレスイヤホン(AirPods、その他)
・携帯ゲーム機(Nintendo Switch等)
・モバイルWi-Fiルーター
中古で購入した端末でも、購入店舗からの保証が3ヶ月あれば加入させることが可能です。

加入方法と手続き
モバイル保険の加入は、インターネットから簡単に行えます。
必要なもの:
- クレジットカード(支払い方法)
- 登録したい端末の写真(外観と端末情報画面)
- 購入証明(レシート、納品書など)
加入の流れ:
- 公式サイトから申し込みフォームに必要事項を入力
- 補償対象とする端末情報を入力し、端末の写真をアップロード
- クレジットカード情報を入力
- 翌営業日に審査(金・土曜日申し込みの場合は月曜日)
- 審査通過後、契約成立のメール受信
契約成立後すぐに補償が開始されます。端末の追加や変更も、マイページから簡単に行えます。
保険金請求の方法
修理が必要になった場合、2つの方法で保険金を請求できます。
1. 通常の保険金請求
修理店で修理後、必要書類(修理報告書、領収書など)を用意し、マイページから保険金請求の手続きを行います。審査完了後、指定口座に保険金が振り込まれます。
修理店はApple正規サービスプロバイダでも、街の修理店でも構いません。修理費用を一旦立て替える必要がありますが、どこで修理しても保険金を受け取れる柔軟性があります。
2. リペアパートナーでキャッシュレス修理
モバイル保険が提携している「リペアパートナー(iCraked)」の修理店を利用すれば、その場でキャッシュレス修理が可能です。事前にマイページで申請しておけば、修理費用を立て替える必要がなく、会計がゼロ円になります。
iCrakedはAppleがグローバルで提供している修理業者向けのプログラム(IRP(独立系修理プロバイダ))加入しているため、純正部品で修理することが可能です。
ただ、基本的にはiPhoneのみになるので、AirPodsなどが難しいです。
なので、AirPodsの場合はAppleの正規修理店にて修理を行なっていただき、後から保険請求になるでしょう。
メリットとデメリット
メリット
デメリット
一方で、いくつかの注意点もあります。
編集長僕もかれこれ5年ほど加入しているのがモバイル保険です。iPhone、Macbook、AppleWatchの3台を加入させていて、やはり複数台を1つの保険でカバーできるのは楽ですし、高額なデバイスを持っている身からすれば安心材料になります。
ゲーム機を持っている場合、ゲーム機を入れたりもできるので、幅広く保証してもらえる点にメリットを感じています。Nintendo Switchを子供が使っているのですが、落下のリスクが常にあるため、モバイル保険に入れておけば安心です。
月額700円で複数台カバーできるというコスパの良さと、機種変更しても継続できる柔軟性が、長く使い続けている理由です。
AppleCare+とモバイル保険の比較表
| 比較項目 | AppleCare+ | モバイル保険 |
|---|---|---|
| 価格 | 4,600円(2年間一括) | 月額700円(年間8,400円) |
| 保証期間 | 2年間 | 継続可能 |
| 補償対象 | AirPods単体 | 最大3台までのモバイル端末 |
| 修理時の自己負担額 | 3,700円 | 修理費用全額(年間上限10万円) |
| バッテリー交換 | 容量80%未満で無償 | 対象外 |
| 水濡れ | 対象 | 対象 |
| 盗難 | 対象外 | 対象(最大25,000円) |
| 紛失 | 有償対応(未加入時と同額) | 対象外 |
| 対応修理店 | Apple正規サービスプロバイダ | 修理店指定(Apple正規以外の可能性も) |
保険選びの失敗しないための決め手
AppleCare+が向いている人
モバイル保険が向いている人
よくある質問(FAQ)
- AirPodsの片側のみを無くした場合、保険は適用できますか?
-
AppleCare+では紛失は有償対応となり、未加入時と同じ11,400円の費用がかかります。モバイル保険も紛失は対象外のため、いずれの場合も自己負担での交換です。片耳の交換費用はAirPods 4の場合、10,800円程度かかります。
両耳を無くした場合も同様で、合計22,800円近くかかることになり、新品を購入した方が安い場合もあります。
紛失を防ぐ対策:
- AirTagをケースに取り付ける
- 「探す」アプリで最後の場所を確認できるようにしておく
- 耳から外す時は必ずケースにしまう習慣をつける
- シリコンカバーを装着して滑りにくくする
- 中古で購入したAirPodsにも保険は加入できますか?
-
AppleCare+は新品購入から30日以内の加入が条件です。中古品には加入できません。
モバイル保険は「新規取得した日から1年未満の無線通信が可能な端末」が対象です。購入店舗からの保証が3ヶ月あれば加入させることが可能です。
中古品の場合、既に損傷がある可能性もあるため、加入時に端末の写真を撮影する際、損傷がないことを証明する必要があります。
- 保険に加入せず、自分で修理する方法はありますか?
-
Apple非公認の修理業者を利用する方法もありますが、いくつかのリスクがあります。
非公認修理のリスク:
- 純正部品が使用されない可能性
- 修理技術が保証されていない
- 修理後にさらなる故障が発生する可能性
- Apple正規の保証が完全に無効になる
AirPodsは精密機器であり、専門的な技術が必要です。Apple正規サービスを利用することを強くおすすめします。
ただし、モバイル保険に加入していれば、非公認の修理店でも保険金請求ができるため、選択肢が広がります。緊急時に近くに正規店がない場合でも対応できるのは利点です。
- 充電ケースだけ壊れた場合も補償されますか?
-
はい、両方の保険で充電ケースも補償対象です。
AppleCare+の場合: 充電ケースの交換も3,700円のサービス料で対応してもらえます。イヤホン本体と同様の条件です。
モバイル保険の場合: 充電ケースの修理・交換費用も、年間の補償限度額内であれば全額補償されます。
AirPods 4の充電ケースは、通常モデルで9,000円、ANC搭載モデルで11,400円の交換費用がかかるため、保険に入っていれば大きな節約になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
AirPods 4は高性能で便利なデバイスですが、その小ささと精密さゆえにトラブルのリスクも抱えています。保険に加入することで、そうしたリスクを軽減し、安心して使用できるようになります。
本記事で紹介したAppleCare+とモバイル保険は、それぞれ異なる強みを持つサービスです。自分のライフスタイル、所有しているデバイスの数、使用頻度、リスクの種類などを総合的に考えて、最適な選択をしてください。
どちらを選ぶにせよ、購入から時間が経つと加入できなくなる可能性があるため、早めの判断をおすすめします。AppleCare+は30日以内、モバイル保険は購入から1年未満という制限がありますので、ご注意ください。
素晴らしいAirPods 4ライフをお楽しみください!
