スマホ保険ラボの編集長D部長です。
今や生活に欠かせないスマートフォン。しかし、その本体価格は年々高騰し、iPhoneの最新モデルともなれば20万円を超えることも珍しくありません。Androidもハイエンド機種の値段はiPhoneと同じぐらいまで高騰しています。
まるで精密機器の塊であるスマホは、ふとした瞬間に手から滑り落ち、画面がバキバキに…なんていう悲劇も日常茶飯事です。
修理費用も驚くほど高額で、画面修理だけで5万円以上、背面ガラスやカメラの修理となれば10万円近くかかるケースも。そんな「万が一」に備えるのがスマホ保険ですが、「実際、みんな入っているの?」「保険料を払うのがもったいない」と感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、スマホ保険の加入率を見つつ、その上で、なぜ特に高価なiPhoneユーザーにとって保険が重要なのか、その理由を修理費用の実情や経済的な側面から詳しく掘り下げていきます。
そして、iPhoneユーザーが保険を検討する際に必ず選択肢に挙がるであろう「モバイル保険」とApple公式の「AppleCare+」。この2つのサービスを料金、補償内容、利便性など、あらゆる角度から詳細に比較し、あなたにとって最適な選択はどちらなのかを徹底解説していきます。
スマホ保険の加入率は?意外と知られていない現状

「スマホ保険って、実際のところどれくらいの人が入っているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。高価なスマートフォンを守るための保険ですが、その加入率は意外と知られていません。ここでは、最新の調査データをもとに、スマホ保険の現実的な現状を紐解いていきます。
最新の調査データから見るスマホ保険の加入率
株式会社400Fが運営するお金のオンライン相談サービス「オカネコ」が2025年8月に実施した調査によると、スマホ保険・補償サービスへの加入率は26.6%という結果が報告されています。
引用元:https://okane-kenko.jp/media/survey_2509-2/
これは、およそ4人に1人が何らかの形でスマホの故障やトラブルに備えていることを示しています。思ったより多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれですが、7割近くの人は保険未加入でリスクを自己負担しているのが現状です。
同調査では、興味深いデータも明らかになっています。
トラブル経験者の加入率は未経験者の約2倍:過去にスマホを壊した経験がある人は、その修理費用の高さを実感しているため、保険の必要性を強く感じていることが分かります。
加入者の約半数が「紛失・盗難」や「高額な修理費用」を懸念:保険に加入する動機として、突発的な高額出費への備えがいかに大きいかが判ります。
非加入者の約7割は「保険料がもったいない」と感じている:一方で、保険に加入しない最大の理由は、月々のコストに対する懸念です。故障しなければ掛け捨てになる保険料を負担に感じる人が多いようです。
なぜiPhoneユーザーは特にスマホ保険を検討すべきなのか?

数あるスマートフォンの中でも、特にiPhoneユーザーは保険の必要性が高いと言えます。その理由は、大きく3つあります。
iPhoneの修理代は年々高騰している現実
iPhoneは新しいモデルが登場するたびに、カメラ性能の向上やディスプレイの高精細化など、機能が進化しています。それに伴い、使用される部品も高価かつ精密になっており、修理費用は年々高騰する傾向にあります。
例えば、最新のiPhone15 Pro Maxの場合、Appleでの画面修理費用は60,400円、その他の損傷(背面ガラスのひび割れなど)に至っては10万円を超えることもあります。
機種 | 画面のひび割れ (AppleCare+なし) | その他の損傷 (AppleCare+なし) |
---|---|---|
iPhone15 Pro Max | ¥60,400 | ¥114,800 |
iPhone15 Pro | ¥53,800 | ¥99,800 |
iPhone15 | ¥42,800 | ¥83,800 |
iPhone14 | ¥42,800 | ¥83,800 |
iPhoneSE (第3世代) | ¥19,400 | ¥48,200 |
※2025年9月時点のApple公式サイト参考価格(税込)
このように、一度の落下が数万円から十数万円の出費につながる可能性を考えると、保険による備えがいかに重要かが分かります。

Appleの標準保証だけでは不十分
新品のiPhoneには、購入日から1年間の「ハードウェア製品限定保証」がついています。しかし、これはあくまで製造上の欠陥に対する保証(自然故障)であり、ユーザーの過失による落下、水没、画面割れといった「事故」は対象外です。
多くの人が経験するスマホトラブルのほとんどは、この「事故」に起因するものです。
そのため、Appleの標準保証だけでは、日常的なリスクをカバーするには不十分なのです。これらの事故を保証対象に含めるためには、有料の延長保証プランである「AppleCare+」に加入する必要があります。
円安がiPhone本体価格と修理費用に与える影響
近年の急激な円安は、輸入品であるiPhoneの本体価格を押し上げる大きな要因となっています。Appleは世界共通のドル建てで価格設定をしているため、円の価値が下がると、日本での販売価格は必然的に上昇します。
そして、この影響は本体価格だけに留まりません。修理に使用される部品も同様に輸入品であるため、修理費用も円安の影響を受けて高騰する可能性があります。
将来的に、今よりもさらに修理費用が上がるリスクを考慮すると、固定費で万が一に備えられる保険の価値は相対的に高まっていると言えます。
【詳細比較】モバイル保険 vs AppleCare+ どっちがiPhoneにおすすめ?

iPhoneユーザーが保険を検討する際に出てくるのはApple公式の「AppleCare+」です。
そして、民間の保険サービスでも僕も5年以上加入しているモバイル保険について解説をしていきます。
どちらも魅力的なサービスですが、その内容は大きく異なります。ここでは、あなたの使い方にどちらが合っているか判断できるよう、両者を詳細に比較していきます。
サービス概要の比較
まずは、それぞれのサービスがどのような特徴を持っているのか、基本的な部分を見ていきましょう。
項目 | モバイル保険 | AppleCare+ for iPhone |
---|---|---|
運営会社 | さくら少額短期保険株式会社 | Apple Inc. |
月額料金 | 700円 (非課税) | 機種により異なる (例: iPhone 15 Proは1,180円~1,780円) |
対象端末数 | 最大3台 (主端末1台 + 副端末2台) | 1台のみ |
対象範囲 | Wi-Fi・Bluetooth対応の通信端末全般 | Apple製品のみ |
補償内容 | 故障・破損・水没・損壊・盗難 | 故障・破損・水没・バッテリー消耗・盗難/紛失(プランによる) |
自己負担額 | 0円 | 画面/背面ガラス: 3,700円, その他: 12,900円 |
年間補償上限 | 10万円 (主端末) | 回数無制限 |
加入条件 | 新品購入後1年未満 / 中古購入後3ヶ月未満 | 新品購入時または購入後30日以内 |
比較ポイント1:月額料金と対象端末の広さ
最も大きな違いは、月額料金と補償対象となる端末の数です。
モバイル保険は、月額わずか700円で、スマートフォン(主端末)1台に加えて、タブレットやノートPC、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホン、携帯ゲーム機など、Wi-FiやBluetoothに繋がるモバイル通信端末を副端末として2台まで、合計3台を同時に補償できます。
一方で、AppleCare+はiPhone 1台のみが対象です。料金は機種によって異なり、iPhone15 Proの場合は月額1,180円(通常プラン)から1,780円(盗難・紛失プラン)と、モバイル保険の2倍以上のコストがかかります。
もしiPadやApple Watchも保証したい場合は、それぞれ個別にAppleCare+に加入する必要があり、トータルの費用はさらに高くなります。
【Point】複数のガジェットを持つなら「モバイル保険」が圧倒的に高コストパフォーマンス。

僕もかれこれ5年ほど加入しているのがモバイル保険になります。iPhone、Macbook、AppleWatchの3台を加入させており、やはり複数台を1つの保険でカバーできるのは楽ですし、高額なデバイスを持っている身からすれば安心材料になります。
ゲーム機を持っている場合、ゲーム機を入れたりもできるので、幅広く保証してもらえるのにメリットを感じています。
比較ポイント2:修理時の自己負担額
万が一、iPhoneを修理に出す際の自己負担額(免責金額)も重要な比較ポイントです。
モバイル保険の最大の強みは、修理時の自己負担額が0円である点です。年間10万円の補償上限内であれば、何度修理しても自己負担なしで全額が保険金として支払われます。(※修理不能または盗難時は、主端末最大25,000円、副端末最大7,500円の見舞金となります)
対してAppleCare+は、修理内容に応じてサービス料(自己負担額)が設定されています。
・画面または背面ガラスの損傷:3,700円
・その他の過失や事故による損傷:12,900円
・盗難または紛失:12,900円
例えば、画面と背面ガラスの両方を損傷してしまった場合、AppleCare+に加入していても12,900円の自己負担が発生しますが、モバイル保険なら主端末にiPhoneを登録し、10万円以下に収まれば0円で済みます。
比較ポイント3:加入条件と自由度
保険の加入条件も両者で大きく異なります。
AppleCare+は、iPhoneの新規購入時、または購入後30日以内にしか加入できません。この期間を過ぎてしまうと、後から加入することは不可能です。
一方、モバイル保険は新品の端末であれば購入から1年未満、さらに中古品であっても購入から3ヶ月未満(購入店舗の保証書があることが条件)であれば加入が可能です。「購入時に保険に入るか迷っていたけど、やっぱり不安だから入りたい」「フリマアプリで状態の良い中古iPhoneを買ったから保険をかけたい」といったニーズにも柔軟に対応できます。
また、機種変更時の手続きもモバイル保険は簡単です。マイページから登録端末を変更するだけで、新しいiPhoneに補償を引き継ぐことができます。
【比較まとめ表】モバイル保険 vs AppleCare+
比較項目 | モバイル保険 | AppleCare+ for iPhone |
---|---|---|
月額料金 | ◯ 700円(非課税) | △ 1,180円~1,780円/月(機種による) |
対象端末数 | ◎ 最大3台(スマホ、PC、ゲーム機など) | × 1台のみ |
修理時の自己負担 | ◎ 0円 | △ 3,700円 or 12,900円 |
年間補償上限 | ◯ 最大10万円(主端末) | ◎ 回数無制限 |
盗難・紛失補償 | △ 見舞金(最大25,000円) | ◯ 本体交換(自己負担12,900円) |
正規修理の安心感 | ◎ 正規店・非正規店対応可能 | ◎ Apple正規修理 |
加入タイミング | ◎ 新品購入後1年未満、中古もOK | × 新品購入後30日以内 |
その他サービス | なし | ◯ エクスプレス交換サービス、テクニカルサポート |
あなたに合うのはどっち?選び方のポイント
ここまで両者の違いを比較してきましたが、結局どちらを選べば良いのでしょうか。あなたのライフスタイルや価値観に合わせて、最適なプランを選びましょう。
モバイル保険がおすすめな人
・iPhone以外にもApple製品(iPad, Apple Watch, MacBook)を持っている人
・スマホ以外のガジェット(ゲーム機、ワイヤレスイヤホン)もまとめて保証したい人
・月々の保険料をできるだけ安く抑えたい人
・修理する際の自己負担額を完全に0円にしたい人
・中古のiPhoneを購入した、または購入予定の人
・購入から31日以上経過してしまったが、保険に入りたい人
複数のデバイスを所有している場合、モバイル保険のコストパフォーマンスは圧倒的です。
AppleCare+がおすすめな人
・何があっても正規サービスという強いこだわりがある人
・iPhoneの紛失や盗難のリスクに手厚く備えたい人
・修理中に代替機がすぐに必要になることが多い人(エクスプレス交換サービス)
・操作方法などで専門のサポートを頻繁に利用したい人
・持っているガジェットはiPhone1台だけの人
AppleCare+の最大の魅力は、やはり「公式」であることの安心感です。修理の品質はもちろん、紛失・盗難時に本体を交換してくれるサービス(自己負担あり)は、モバイル保険にはない大きなメリットです。
D部長の結論:コスパと利便性ならモバイル保険が優勢
総合的に判断すると、特に複数のデジタルデバイスを日常的に利用する現代人にとって、モバイル保険は非常に合理的でコストパフォーマンスに優れた選択肢です。
AppleCare+の公式サービスという安心感は魅力的ですが、そのために倍以上の月額料金を支払い、補償対象がiPhone1台に限定されるのが、デメリットです。
月々700円という負担のない価格で、高価なiPhoneだけでなく、PCやタブレット、ゲーム機までまとめて守れるモバイル保険の利便性は、AppleCare+にはない大きなアドバンテージです。

スマホ保険に関するよくある質問(FAQ)
- スマホ保険はいつでも加入できますか?
-
いいえ、加入には条件があります。モバイル保険の場合、メーカー発売から5年以内の端末で、かつ新規取得から1年未満(中古品は3ヶ月未満)である必要があります。AppleCare+は新規購入時または購入後30日以内と、さらに厳しくなっています。加入を検討している場合は、早めに手続きをしましょう。
- 修理代金はどうやって支払われますか?
-
モバイル保険では、2通りの方法があります。全国にある提携修理店(iCracked)「キャッシュレスリペア」を利用すれば、その場で自己負担なく修理が可能です。それ以外の店舗で修理した場合は、一度修理代金を立て替え、後日マイページから保険金を請求する流れになります。申請後、最短当日に保険金が振り込まれます。
- 3台登録する場合、どの端末が対象になりますか?
-
主端末として登録した1台が年間最大10万円、副端末として登録した2台が合計で年間最大3万円の補償対象となります。最も高価で故障リスクが高いスマートフォンを主端末に設定し、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどを副端末に登録するのが一般的でおすすめの使い方です。
- 解約は簡単にできますか?
-
はい、モバイル保険はいつでもマイページから簡単に解約手続きが可能です。最低利用期間などの縛りはありません。AppleCare+も同様に、いつでも解約することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、スマホ保険の加入率から、特にiPhoneユーザーが保険を検討すべき理由、そして「モバイル保険」と「AppleCare+」の詳細比較までを解説してきました。
スマホ保険の加入率は約4人に1人と、まだ多数派ではありません。しかし、iPhoneの本体価格と修理費用が高騰し続ける今、保険はもはや贅沢品ではなく、大切な資産を守るための「賢い備え」と言えます。
どちらの保険を選ぶべきか。その答えは、あなたのライフスタイルの中にあります。
・複数のガジェットをまとめて、安く、手厚く守りたいなら「モバイル保険」
・Apple公式という絶対的な安心感を最優先するなら「AppleCare+」
この記事を参考に保険へ加入していない方は、是非参考にしてみてください。