スマホ保険ラボの編集長D部長です。
今や私たちの生活に欠かせないスマートフォン。
しかし、その本体価格は年々高騰し、iPhoneの上位モデルともなれば20万円を超えることも珍しくありません。
もはや「電話」というより「持ち運べる高性能PC」です。
そんな高価なスマホを、私たちは毎日ポケットやバッグに入れて持ち歩いています。
うっかり手から滑り落ちて画面がバキバキに…、カフェのテーブルから落としてしまった…、突然の豪雨で水没して電源が入らない…なんて経験、あるいはヒヤリとした経験は誰にでもあるはずです。
そんな「もしも」の事態に備えるのがスマホ保険です。AppleCare+やキャリアの補償サービスも有名ですが、最近では独立系の保険会社が提供する、より自由度が高くコストパフォーマンスに優れたスマホ保険に数年前から、注目が集まっています。
その中でも特に人気を集めているのが、日本生命グループが提供する「ニッセイのスマホ保険(ニッセイプラス少額短期保険)」と、さくら少額短期保険が提供する「モバイル保険」です。
「どっちもよく聞く名前だけど、具体的に何が違うの?」
「月額料金が安いニッセイがいいかな?」
「でも3台まで補償されるモバイル保険も気になる…」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな悩みを解決するために、「ニッセイのスマホ保険とモバイル保険のサービス内容を、6つの重要なポイントから徹底的に比較・解説」していきます。
スマホ保険選びで失敗しないための3つのポイント

本格的な比較に入る前に、まずスマホ保険を選ぶ上で絶対に外せない3つのポイントを確認しておきましょう。
補償範囲は十分か?(修理、盗難、水濡れなど)
スマホに起こりうるトラブルは様々です。最も多いのは「画面割れ」や「水没」による物理的な破損ですが、盗難や紛失のリスクも無視できません。
「とにかく画面割れの修理費用さえカバーできればいい」という人もいれば、「高価な端末だから盗難された時が一番怖い」という人もいるでしょう。
自分が加入しようとしている保険が、どのトラブルまでをカバーしてくれるのか、その範囲を正確に把握することが失敗しないための第一歩です。
何台まで補償されるか?
現代では、スマホ1台だけでなく、タブレットやノートパソコン、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、携帯ゲーム機など、複数の通信機器を所有しているのが当たり前になっています。
保険を選ぶ際には、「メインのスマホ1台だけを補償できれば十分」なのか、それとも「持っているデバイスをまとめて補償したい」のかを考える必要があります。
後者の場合、1台ずつ保険に加入すると保険料が非常に高額になってしまいます。複数のデバイスを1つの契約でまとめて補償できる保険であれば、トータルコストを大幅に抑えることが可能です。
月額料金と自己負担額のバランスは?
保険である以上、月々の保険料は安いに越したことはありません。
しかし、料金の安さだけで選ぶのは危険です。
注目すべきは「自己負担額(免責金額)」とのバランスです。 自己負担額とは、修理費用が発生した際に、保険金とは別に自分で支払わなければならない金額のことです。
例えば、修理費用が5万円で自己負担額が3,000円の場合、保険金として支払われるのは4万7,000円で、残りの3,000円は自己負担となります。 月額料金が非常に安くても、いざという時の自己負担額が高額に設定されていては、保険の恩恵を十分に受けられません。
逆に、自己負担額がゼロでも、月額料金が高すぎれば本末転倒です。毎月の支払額と、万が一の際の自己負担額。この2つのバランスを総合的に見て、自分にとって最も合理的なプランを選択することが重要です。
ニッセイのスマホ保険とモバイル保険の概要

それでは、今回比較する2つの保険の基本的な特徴を見ていきましょう。
ニッセイのスマホ保険(ニッセイプラス)とは?
ニッセイのスマホ保険は、生命保険業界の最大手である日本生命グループの「ニッセイプラス少額短期保険株式会社」が提供する保険です。その最大の魅力は、業界最安クラスの月額料金。
月々200円から加入できる手軽さが特徴です。 「スマホ1台をとにかく安く、でも手厚く守りたい」というニーズに応える形で設計されており、特に新品のスマートフォンを購入した際の「もしも」に備えたいユーザーから支持を集めています。大手グループが運営しているという安心感も大きなポイントです。
モバイル保険とは?
モバイル保険は、「さくら少額短期保険株式会社」が提供する、スマホ保険のパイオニア的存在です。
最大の特徴は、月額700円で最大3台までの通信機器をまとめて補償できる点にあります。 スマホだけでなく、タブレット、ノートPC、スマートウォッチ、ゲーム機など、Wi-FiやBluetoothに接続できる「通信機器」全般を幅広くカバーします。
複数のデバイスを所有する現代人のライフスタイルに非常にマッチした保険であり、「デジタル機器をまるごと守りたい」というユーザーから絶大な人気を誇ります。
【徹底比較】ニッセイのスマホ保険 vs モバイル保険 6つの違い

お待たせしました。ここからは、ニッセイのスマホ保険とモバイル保険の具体的な違いを、7つの重要なポイントに絞って徹底的に比較していきます。どちらがあなたの使い方に合っているか、じっくりと見極めてください。
① 月額料金:200円からの手軽さ vs 700円の網羅性
まず最も気になるのが月額料金です。ここは両者の特徴が明確に分かれるポイントです。
ニッセイのスマホ保険: 選べる2つのプラン
- シンプルプラン: 月額200円
- 安心プラン: 月額400円
モバイル保険:
・月額700円(ワンプラン)
料金だけを見ると、ニッセイのスマホ保険が圧倒的に安く見えます。特にシンプルプランの200円は、ワンコインでお釣りがくる驚きの価格で、保険加入のハードルを大きく下げています。 しかし、これはあくまで「1台あたり」の料金です。次の「補償対象端末」の項目と合わせて考える必要があります。
② 補償対象端末:1台集中 vs 3台まとめて
月額料金と密接に関わるのが、補償対象となる端末の台数です。
・ニッセイのスマホ保険: 1契約につき基本1台のみ
・モバイル保険: 1契約で最大3台まで登録可能(主端末1台+副端末2台)
ここに大きな違いがあります。ニッセイは1台の端末を集中して守る「単独型」の保険です。
一方、モバイル保険は複数の端末をまとめて守る「家族・複数台向け」の保険と言えます。
もしあなたがスマホ1台しか持っておらず、他のデバイスの補償は不要だと考えるなら、ニッセイの安さは大きなメリットになります。
しかし、スマホの他にタブレットやスマートウォッチを持っている場合、モバイル保険の方がトータルコストで有利になる可能性が高いです。 例えば、モバイル保険で3台登録した場合、1台あたりのコストは約233円(700円 ÷ 3台)と計算できます。これはニッセイのシンプルプラン(200円)よりは高くなりますが、安心プラン(400円)よりは安くなります。
補償したいデバイスが2台以上ある時点で、モバイル保険のコストパフォーマンスが飛躍的に高まるのです。
③ 補償金額:プランで変わるニッセイ、最大10万円のモバイル保険
万が一の際に受け取れる保険金の額も重要です。これは年間の上限額で比較します。
ニッセイのスマホ保険:
- シンプルプラン: 年間最大5万円まで
- 安心プラン: 年間最大10万円まで
モバイル保険:
・年間最大10万円まで
ニッセイはプランによって年間の補償上限額が異なります。月額200円のシンプルプランは上限5万円、月額400円の安心プランは上限10万円です。近年のスマホ修理代は高額化しており、特に画面修理は5万円を超えるケースも少なくありません。その点を考慮すると、シンプルプランでは少し心許ないと感じる場面があるかもしれません。 一方、モバイル保険は年間最大10万円です。この10万円という上限は「3台の合計」で適用されます。
・主端末: 1回の修理で最大10万円まで
・副端末: 2台合わせて1回の修理で最大3万円まで
高価なスマホを主端末に登録しておけば、万が一の際にも最大10万円の補償が受けられます。

④ 補償範囲:盗難への対応がポイント
どのようなトラブルが補償の対象になるかは、保険選びにおいて最も重要な要素の一つです。
補償内容 | ニッセイのスマホ保険 | モバイル保険 |
---|---|---|
画面割れ・破損 | ○(両プラン対応) | ○ |
水没・水濡れ | ○(安心プランのみ) | ○ |
故障 | ○(安心プランのみ) | ○ |
盗難 | ○(安心プランのみ) | ○ |
紛失 | ×(対象外) | ×(対象外) |
バッテリー交換費用 | ×(対象外) | ×(対象外) |
盗難リスクを重視する方にとっては、どちらの保険も一定の安心感を提供してくれます。
⑤ 自己負担額(免責金額):両方とも自己負担あり
修理の際に自己負担が必要かどうか、またその金額はいくらかも確認しましょう。
ニッセイのスマホ保険:
- シンプルプラン: 1回の修理につき3,000円
- 安心プラン: 1回の修理につき3,000円
モバイル保険:
・ 0円(自己負担なし)
ここはモバイル保険の大きなアドバンテージです。モバイル保険は、修理費用が保険金額の上限内であれば自己負担額が一切かからないため、急な出費を心配する必要がありません。
一方、ニッセイのスマホ保険は、どちらのプランでも3,000円の自己負担が発生します。月額料金の安さの背景には、この自己負担額の設定があることを理解しておく必要があります。
⑥ 加入条件:新品限定 vs 中古もOK
保険に加入できる端末の条件も異なります。特に中古で購入した端末や、購入から時間が経った端末を補償したい場合に重要になります。
ニッセイのスマホ保険:
- 取得から1年未満の端末
- 日本国内で販売された端末
- 申込時点で正常に動作している端末
モバイル保険:
- 新品端末から1年未満
- 中古品でも加入可能(購入店舗の3ヶ月以上の保証があることが条件)
- 日本国内で販売・発売された端末
加入条件を比較すると、モバイル保険の方が柔軟です。
比較表で一目瞭然!ニッセイ vs モバイル保険
ここまでの比較内容を一覧表にまとめました。改めて両者の違いを確認してみてください。
比較項目 | ニッセイのスマホ保険 | モバイル保険 |
---|---|---|
月額料金 | シンプル: 200円 安心: 400円 | 700円 |
対象端末数 | 1台(被保険者1人につき最大2契約まで) | 最大3台 |
年間補償上限 | シンプルプラン: 5万円 安心プラン: 10万円 | 10万円(3台合計) |
補償範囲 | シンプル: 破損のみ 安心: 破損、水濡れ、故障、盗難 | 破損、水濡れ、故障、盗難 |
自己負担額 | 3,000円 | 0円 |
加入条件 | 取得から1年未満 | 取得から1年未満または中古OK |
バッテリー交換 | 補償対象外 | 補償対象外 |
運営会社 | ニッセイプラス少額短期保険 | さくら少額短期保険 |

あなたにおすすめなのはどっち?タイプ別診断

詳細な比較を踏まえ、最終的にどちらの保険があなたにおすすめなのかをタイプ別に診断します。
ニッセイのスマホ保険がおすすめな人
・とにかく月々の保険料を安く抑えたい人:シンプルプラン(月額200円)の安さは圧倒的です。画面割れのみの補償で十分、修理時の自己負担(3,000円)を許容できる方には最適な選択肢です。
・1台のスマホのみを補償したい人:補償するデバイスが1台だけで、他のガジェットは持っていない、または必要ないという方には、シンプルで分かりやすいニッセイの保険が向いています。
・大手ブランドの安心感を重視する人:「日本生命グループ」という絶大なブランド力は、何よりも安心感を重視する方にとって大きな魅力となります。
モバイル保険がおすすめな人
・スマホ以外にもタブレットやPC、ゲーム機など複数のデバイスを持っている人:1つの契約で最大3台まで守れるため、複数のデバイスを所有している場合は、個別に保険をかけるよりも圧倒的にお得です。
・修理時の自己負担をゼロにしたい人:いざという時に一切の自己負担なく修理をしたい方には、免責金額0円のモバイル保険が明確なメリットを持ちます。
・中古の端末を愛用している、またはこれから購入予定の人:中古品でも加入できるため、端末の購入方法に縛られず、柔軟に保険を利用したい方におすすめです。
・家族のデバイスもまとめて補償したい人:モバイル保険は契約者の二親等以内の親族の端末も登録できるため、家族全体のデバイスを効率的に保護できます。

私もかれこれ5年ほど加入しているのがモバイル保険になります。iPhone、MacBook、AppleWatchの3台を登録しており、やはり複数台を1つの保険でカバーできるのは管理が楽ですし、高額なデバイスを持っている身からすれば大きな安心材料です。NintendoSwitchなどのゲーム機なども対象にできるので、家族全体のデジタル機器を幅広く保証してもらえる点に、大きなメリットを感じています。
よくある質問(FAQ)
- 保険金の請求は簡単ですか?
-
はい、どちらの保険もWebサイトのマイページから簡単に申請手続きが可能です。
ニッセイは修理後の申請のみですが、モバイル保険は修理前の事前連絡も可能です。一般的に、修理の見積書や領収書、故障した端末の写真などをアップロードする形式で、煩雑な書類の郵送は不要な場合が多いです。
- 機種変更しても保険は継続できますか?
-
はい、どちらの保険もマイページから登録端末の変更手続きを行うことで、新しい機種に補償を引き継ぐことが可能です。手続きを忘れると補償の対象外になってしまうため、機種変更後は速やかに手続きを行いましょう。
- 海外での故障も対象になりますか?
-
モバイル保険は海外での事故も補償対象となりますが、日本国内で修理した場合に限られます。ニッセイのスマホ保険は、原則として日本国内での事故が対象です。海外渡航が多い方は、モバイル保険の方が安心です。
- 家族の端末も対象にできますか?
-
モバイル保険は、契約者(本人)または契約者の二親等以内の親族が所有する端末を登録できます。そのため、家族のデバイスをまとめて補償することが可能です。ニッセイのスマホ保険も家族の端末を被保険者として設定することが可能ですが、1台につき1契約が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
正直なところ、この2つの保険は全くタイプが違います。
ニッセイのスマホ保険は、まさに「最低限の備えを激安で」という発想の保険。「スマホ1台だけ、とりあえず画面割れだけでも安く守りたい」という人には、月額200円という価格は本当に魅力的です。
ただし、3,000円の自己負担は覚悟しておく必要がありますし、水濡れや故障まで備えるなら400円コースになります。
一方のモバイル保険は、「デジタルガジェット全般をしっかり守る」ことに振り切った保険です。月額700円と聞くと高く感じますが、スマホ、タブレット、ノートPCの3台を登録すれば1台あたり233円。複数台持ちなら間違いなくこっちです。
今の端末の所有状況などにも左右されるので、今保険に入っている人も入っていない人も、この記事を参考にぜひ保険のプラン等を見直してみてはいかがでしょうか。