スマホ保険ラボの編集長D部長です。
「新しいMacBook、買ったぞ!」
あの美しいフォルム、箱を開ける瞬間の高揚感、そして初めてRetinaディスプレイに電源を入れた時の感動は何回見てもいいですよね。
しかし、ふと頭をよぎる一つの大きな悩み。
「…この綺麗な画面、保護フィルムって貼るべきなんだろうか?」
ネットで検索してみると、「MacBook 保護フィルム」と入力しただけで、予測変換には「いらない」「後悔」「剥がれる」といったネガティブなキーワードがずらり。
「貼ると画面のコーティングが剥がれるらしい…」
「Appleは推奨してないって聞いたけど…」
「せっかくの綺麗なRetinaディスプレイの画質が落ちるのは嫌だなぁ」
そんな声を見かけると、「じゃあ、貼らない方がいいのかな?」と不安になってしまいますよね。
でも、本当にそうでしょうか?「いらない」という噂を鵜呑みにして、何も対策しないままで本当に大丈夫なのでしょうか?
結論から申し上げます。私は「MacBookに保護フィルムは絶対に必要」だと考えています。
この記事では、なぜ僕がそう断言するのか、その理由を徹底的に解説していきます。
MacBookに保護フィルムは「いらない」と言われる噂の真相

「フィルム不要論」を唱える方々の意見には、いくつかの根拠があります。
まずは、それらの噂が本当なのか、一つひとつ丁寧に検証していきましょう。
噂画面の特殊なコーティングが剥がれるって本当?
これは、MacBookの保護フィルムを語る上で、最も有名な噂ではないでしょうか。
「フィルムを貼って、剥がす時に画面のコーティングまで一緒に剥がれてしまった…」
考えただけでも恐ろしい話ですよね。この噂の出どころは、主に2015年〜2017年モデルのMacBook Proなどで発生した「Staingate(ステインゲート)」と呼ばれる問題にあります。これは、ディスプレイ表面の反射防止コーティングが、特定の条件下(皮脂やクリーナーの影響、キーボードとの接触など)で斑点状に剥がれてしまうというものでした。
確かに、この時期のモデルに品質の悪いフィルムを貼り、無理に剥がそうとした際にコーティングがダメージを受けるケースはあったかもしれません。
しかし、現在のM1, M2, M3チップを搭載した新しいMacBookでは、このコーティングの耐久性は大幅に改善されています。 もちろん、安価すぎるフィルムや、粘着力が強すぎる粗悪な製品を使えば、リスクはゼロとは言い切れませんが、信頼できるメーカーが販売しているMacBook専用の保護フィルムを選んで、正しく貼り付け・取り外しを行えば、コーティングが剥がれる心配はほとんどないと言っていいでしょう。
むしろ、フィルムを貼らずに画面を直接拭いているうちに、布巾との摩擦や、拭き取りきれなかった微細なホコリによって、コーティングに細かい傷(がついてしまうリスクの方が現実的です。
実際に僕も前のMacbookでフィルムを貼らないことにより、細かい傷が多数つき残念な思いをしました。
Appleがフィルムの使用を推奨していないって聞いたけど?
「Apple自身が推奨していないものを、わざわざ使う必要はない」という意見もよく見かけます。これも、半分正解で半分間違い、と言えるでしょう。
確かにAppleは、「全てのユーザーは保護フィルムを貼るべきです」と公式にアナウンスしているわけではありません。しかし、「推奨していない」というのは完全な誤解です。
その最大の証拠に、Appleの公式オンラインストアや直営店では、Belkin(ベルキン)社製の高品質な保護フィルムが正規アクセサリーとして販売されています。
Appleは、自社製品と組み合わせて使用するサードパーティ製品に対して、非常に厳しい品質基準を設けています。
その厳しい基準をクリアし、「Apple公認」として販売されている製品があるという事実。これこそが、Appleが保護フィルムの使用を容認、いや、むしろ推奨していることの何よりの証明ではないでしょうか。
せっかくのRetinaディスプレイの画質が低下するのでは?
MacBook最大の魅力の一つである、高精細で美しいRetinaディスプレイ。その映像美を損ないたくないからフィルムは貼りたくない、という気持ちもよくわかります。
確かに、どんなフィルムを貼っても、物理的な層が1枚増える以上、完全に「貼る前と全く同じ」とはいきません。しかし、これも「フィルムの品質と種類による」というのが正確な答えです。
現在の保護フィルムは技術が非常に進化しており、大きく分けて「光沢(グレア)タイプ」と「非光沢(アンチグレア)タイプ」があります。
光沢(グレア)タイプ:透明度が非常に高く、Retinaディスプレイ本来の鮮やかさや色の深みをほとんど損ないません。映像編集やデザインなど、色の正確性が求められる作業をする方にはこちらがおすすめです。ただし、照明や自分の顔が映り込みやすいというデメリットもあります。
非光沢(アンチグレア)タイプ:表面に微細な凹凸加工が施されており、光の反射を抑えてくれます。カフェや屋外など、照明環境が変わりやすい場所で作業することが多い方や、長時間の作業で目の疲れを軽減したい方に向いています。画質は光沢タイプに比べると、わずかに白っぽく、彩度が落ちて見える傾向があります。
このように、それぞれの特性を理解し、自分の使い方に合った高品質なフィルムを選べば、画質への影響は最小限に抑えることができます。「画質が落ちるから」と一括りにしてフィルムを避けるのは、非常にもったいない選択と言えるでしょう。

MacBookに保護フィルムを強く推奨する3つの理由

噂を検証してきましたが、ここからは、なぜ僕が「それでもフィルムは絶対に必要だ」と考えるのか、その理由をお話しします。
予期せぬ事故や日常の傷から高価なディスプレイを守るため
あなたは大丈夫だと思っていても、事故は本当に突然やってきます。
- 作業に集中していて、キーボードの上に置いたボールペンに気づかず、そのままディスプレイを閉じてしまった…
- カバンに入れて持ち運んでいる際に、満員電車で強く押されてしまった…
- 子供やペットが、画面を爪やオモチャで引っ掻いてしまった…
- 画面を拭こうとしたら、指輪が当たってしまい、スッと一本の線傷が…
想像するだけでも冷や汗が出ませんか?
MacBookのディスプレイ修理費用は、モデルによっては10万円を超えることも珍しくありません。 画面が損傷すれば、AppleCare+に加入していても数万円の自己負担金が発生します。
数千円で買える保護フィルム一枚。これを貼っておくだけで、こうした悲劇の多くは防ぐことができます。
フィルムが身代わりになってくれれば、貼り替えるだけで済みます。これは、高額な修理費用を考えれば、最もコストパフォーマンスに優れた「掛け捨て保険」だと言えるのではないでしょうか。
リセールバリューを維持するため
MacBookが他のWindowsパソコンと大きく違う点、それはリセールバリュー(再販価値)が非常に高いことです。2〜3年使った後でも、状態が良ければ購入価格の半分以上で売れることも少なくありません。
このリセールが高い状態を最大限に保つ上で、最も重要なのがディスプレイの状態です。
中古PCの買取査定では、外装の小さな凹みよりも、画面の傷がはるかにシビアにチェックされます。電源を消していると気づかないような小さなコーティング剥がれや、光の角度によって見える程度の薄い線傷。たったそれだけの傷でも、査定額が1万円、2万円と減額されてしまうのが現実です。
数千円の投資を惜しんだせいで、売却時に数万円損をしてしまうとしたら、これほど悲しいことはありません。
美しい状態を保つことは、日々の満足度を高めるだけでなく、経済的にも非常に合理的な選択なのです。
Appleが”非推奨”とする「あのアクセサリー」とは?
MacBookを保護するアイテムとして、キーボードの上に敷く「キーボードカバー」や、パームレスト(トラックパッドの横のスペース)に貼る「パームレストカバー」を思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし、これらのアクセサリーについて、Appleは公式に「使用しないように」と警告しています。
Appleのサポートページ(https://support.apple.com/ja-jp/102051)には、以下のような記載があります。
ディスプレイを閉じた状態で、お使いの Mac ノートブックに取り付けられているカメラカバー、パームレストカバー、キーボードカバーを取り外してください。
ディスプレイとキーボードの間に何かを挟んだままディスプレイを閉じると、ディスプレイが損傷するおそれがあります。
近年のMacBookは、本体とディスプレイの隙間が極限まで切り詰められた、非常に精密な設計になっています。
そこにキーボードカバーなどの厚みが加わった状態でディスプレイを閉じると、画面に常に圧力がかかり続け、ディスプレイのガラスが割れたり、表示に異常をきたしたりする原因となりうるのです。
良かれと思って使っていた保護アクセサリーが、実はMacBookを破壊する原因になっていた…なんて、本末転倒ですよね。
その点、画面に直接貼り付ける保護フィルムは、こうした物理的な圧迫による損傷リスクはありません。
自分に合ったMacBook保護フィルムの選び方

では、実際にどのようなフィルムを選べば良いのでしょうか。先ほども少し触れましたが、主要なタイプの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
- 光沢(グレア)タイプ
- 特徴: 透明度が高く、映像や写真の色を忠実に再現します。MacBookのRetinaディスプレイの美しさを最大限に活かしたいならこのタイプです。
- おすすめな人: 動画編集者、デザイナー、フォトグラファーなど、色の正確性が重要なクリエイティブな作業をする方。主に室内で利用する方。
- 注意点: 照明や背景が映り込みやすいです。指紋や皮脂も目立ちやすいので、こまめな手入れが必要です。
- 非光沢(アンチグレア/マット)タイプ
- 特徴: 表面のサラサラした加工で光の反射を効果的に抑えます。蛍光灯の下や、窓際での作業でも画面が見やすいのが利点です。
- おすすめな人: カフェやコワーキングスペース、外出先でMacBookを使うことが多い方。長時間にわたる文書作成やプログラミングなど、画面を凝視する作業が多い方。
- 注意点: 光沢タイプに比べ、わずかに画面が白っぽく見えたり、画像の鮮やかさが失われたり感じることがあります。
- その他の機能性フィルム
- ブルーライトカットタイプ: 画面から発せられるブルーライトを軽減し、目の疲れを和らげる効果が期待できます。長時間の作業が多い方や、夜間にMacBookを使うことが多い方におすすめです。
- 覗き見防止タイプ: 左右からの視野角を制限し、隣の席から画面を見えにくくします。カフェや新幹線など、公共の場で機密情報やプライベートな内容を扱う際に非常に役立ちます。
自分の主な使用用途や、何を最も重視するか(画質、目の疲れにくさ、プライバシーなど)を考え、最適な一枚を選んでみてください。
万が一の時のためにMacbookは保険に入っていた方がいいのか?

ここまで、保護フィルムの重要性について熱く語ってきました。フィルムは、日常の細かい傷や予期せぬ事故に対する、非常に有効な「予防策」です。
しかし、忘れてはいけないことがあります。保護フィルムは、決して万能ではないということです。
もし、打ちどころが悪く、強い衝撃が加わってしまったら? もし、デスクから滑り落ちて、角から地面に叩きつけられてしまったら?
そんな時、フィルムを貼っていても、ディスプレイ自体が割れてしまう可能性はゼロではありません。そうなった場合、やはり待っているのは高額な修理費用です。
そのときに必要なのは「保険」です。
僕のMacも5年以上保険に入っているので、実際に入っている保険サービスとAppleCare+を比較していきたいと思います。
王道の「AppleCare+」
MacBookの保証として、まず思い浮かぶのがApple公式の延長保証サービス「AppleCare+ for Mac」でしょう。
メリット:
- Apple公式の安心感:修理は全てApple正規サービスプロバイダで行われ、純正部品が使われます。
- テクニカルサポート:電話一本で専門のサポートを優先的に受けられます。
- 過失や事故による損傷にも対応:画面のひび割れや液体による損傷など、うっかりミスによる故障も、特別料金で修理してくれます。
デメリット:
- 価格が高い:MacBook Proの場合、3年間で数万円という高額な料金がかかります。
- 修理時にも自己負担金が必要:画面の損傷や外部筐体の損傷は12,900円、そのほかの損傷は37,100円のサービス料(自己負担金)が必要です。(2025年7月時点)
- 保証はMacBook単体:当然ですが、保証対象はそのMacBook1台のみです。
AppleCare+は、手厚いサポートと安心感を提供する素晴らしいサービスです。しかし、その分コストがかかるのも事実。「MacBookのためだけに数万円はちょっと…」と感じる方も少なくないでしょう。

たった月額700円の「モバイル保険」
モバイル保険は、さくら少額短期保険株式会社が提供する、スマートフォンやノートPC、タブレット、携帯ゲーム機などを対象とした保険サービスです。なぜ僕がこれを「最強の備え」と呼ぶのか、その理由をご説明します。
メリット1:月額たった700円で、3台のデバイスをまとめて補償
最大の魅力は、その圧倒的なコストパフォーマンスです。月額わずか700円(非課税)で、主端末1台、副端末2台の合計3台までのデバイスを補償の対象にできます。
例えば、あなたがMacBookとiPhone、そしてApple Watchを持っていたとしましょう。
この3台をすべて登録すれば、月々700円で、あなたのデジタルライフに欠かせない高価なデバイス全てに保険をかけることができるのです。AppleCare+をそれぞれのデバイスで契約した場合の金額と比べれば、その差は歴然です。
メリット2:年間最大10万円まで、何度でも修理費用を補償
補償金額も非常に手厚く、主端末は最大10万円、副端末は合計で最大3万円まで、年間の修理費用が補償されます。
MacBookのディスプレイ修理が8万円かかったとしても、全額が保険金でカバーされる計算です(主端末として登録した場合)。さらに驚くべきは、この補償は年間限度額に達するまで、利用回数に制限がないこと。年に2回、3回と不運が重なってしまっても、しっかりとサポートしてくれます。
メリット3:購入から時間が経った「中古のMacBook」も登録OK
AppleCare+は新品購入時(または購入から30日以内)にしか加入できませんが、モバイル保険は違います。新品であれば購入後1年以内、中古品であっても購入店から動作保証が3ヶ月付いている商品であれば入ることが可能です。
フリマなどで個人から購入した商品は動作保証が正式に付与されないため、難しい場合があります。
「AppleCare+に入りそびれてしまった…」という方にとって、これほど心強いサービスは他にないでしょう。
僕もかれこれ5年以上、このモバイル保険にお世話になっています。 メインのMacBook Air M2はもちろん、毎日使うiPhone、そしてApple Watchの3台を登録しているのですが、高価なデバイスを複数持っていても、たった一つの保険でカバーできる手軽さは本当にありがたいですね。
お子さんがいる方とかはNintendo Switch等のゲーム機も登録できるのが嬉しい点です。
よくある質問(FAQ)
- 結局のところ、新しいMacBookに保護フィルムは貼った方が良いのでしょうか?
-
はい、記事の結論としては「絶対に必要」です。数千円の保護フィルムを貼ることで、10万円を超えることもある高価なディスプレイを日常の傷や予期せぬ事故から守ることができます。
また、画面を綺麗な状態に保つことは、将来的にMacBookを売却する際の査定額(リセールバリュー)を高く維持するためにも非常に重要です。
- 保護フィルムを貼ると、画面のコーティングが剥がれるという噂は本当ですか?
-
その噂は、主に2015年〜2017年モデルで発生した「Staingate」問題が原因です。
現在のM1, M2, M3チップ搭載モデルではコーティングの耐久性が大幅に改善されているため、信頼できるメーカーのフィルムを正しく使えば、その心配はほとんどありません。むしろ、フィルム無しで画面を繰り返し拭くことによる微細な傷のリスクの方が現実的です。
- 光沢(グレア)と非光沢(アンチグレア)は、どちらのフィルムを選べば良いですか?
-
・光沢(グレア)タイプ: Retinaディスプレイ本来の色の鮮やかさを最優先したい方、映像編集やデザインなど色の正確性が求められる作業をする方におすすめです。
・非光沢(アンチグレア)タイプ: カフェや屋外など様々な場所で作業する方、光の反射や映り込みを抑えて目の疲れを軽減したい方におすすめです。
- フィルムだけでは不安です。AppleCare+とモバイル保険、どちらがおすすめですか?
-
コストパフォーマンスと補償対象の広さを重視するなら「モバイル保険」がおすすめです。
AppleCare+はApple公式の安心感がありますが、比較的高額で補償はMacBook単体です。
一方、記事で紹介されている「モバイル保険」は月額700円でMacBookの他にiPhoneやゲーム機など合計3台までまとめて補償対象にでき、年間最大10万円までの修理費用が補償されるため、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
まとめ
長い記事になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
「MacBookに保護フィルムはいらない」という噂は、過去の情報や誤解に基づいている部分が多く、現在の使用環境においては、フィルムを貼るメリットの方がはるかに大きいと、僕は確信しています。
- 日常の擦り傷や予期せぬ事故から、高価なディスプレイを守るため。
- 将来の買い替え時に、1円でも高く売るための「資産価値」を維持するため。
- Appleが非推奨とする危険なアクセサリーを避け、安全にMacBookを保護するため。
これらの理由から、ぜひあなたのMacBookにも、使い方に合った保護フィルムを貼ってあげてください。
そして、フィルムという「予防策」を施した上で、さらにその先の「万が一」に備える究極の安心材料として、「モバイル保険」という選択肢があることを、心の片隅に留めておいていただけると嬉しいです。
大切なあなたの相棒であるMacBook。
ぜひ、この記事を参考にしっかり壊れないように保護してあげて、万が一、壊れた時のための保険も検討してみてはいかがでしょうか?
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